「信じよう」「努力は裏切らない」を強く意識して、受験勉強をしてください。
川中 凱雄 さん (78歳)
令和2年度 社会保険労務士試験 最高齢合格者
受講した講座 | 年金+中上級コース |
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コースの受講形態 | 通学 |
受験回数 | 3回 |
はじめに
やった!良かった!ありがとうございます!理解を深め、合格をするための講義をしていただいた山下先生、楽しみ、余裕をもった勉強をするようにと、講義いただいた澤井先生、「石の上にも三年」とハッパをかけてくれた妻、合格のエールを送ってくださった友人たち。三回目の受験でした。介護関係の会社の立ち上げに参加している時に、参加していた若い社労士さんとの出会いが、受験のきっかけでした。
第一回、第二回の受験で合格できず、年齢も高齢であり、もういいかと受験を止めようと考えていたところ、妻に「石の上にも三年」でやってみたらと言われ、三度目のチャレンジをしました。今回の勉強は講義を受けてみようかとLECを訪問し、山下先生、澤井先生に相談し、年齢が近い山下先生のクラスと決め、講義を受けたのが理解力などの向上につながりました。
山下先生の指導のポイントで、私が実行して理解力が深まり合格に結びついたと感じる点を勉強のポイントと受験時に向けての対応などにつき、記載します。
Ⅰ. 私の合格大作戦
1. 勉強のポイント
- (1)勉強時間を多くする
- 私は高齢でもあり、記憶力も衰えていると感じるので、他の人より多くの時間勉強しようと決意して、自己のスケジュールと時間を記録して努力した。少し居眠りしている時間を含め、1600時間以上勉強した。
- (2)過去問にこだわれ
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- 過去問が試験問題の根幹である。ほんとかな?違う箇所からも出ることもあるから全体をやらないとと思っていたが、講義で受験のためには過去問の出題項目にこだわり、出題の多い項目の「答え(点数)」となっているポイントを徹底的に理解すること。また、誤りの出し方に注目すること、といった指摘が繰り返しあり、先生を信じようと過去問の繰り返し、間違う個所、理解不足の項目につき、「Perfect text」、「山下道場試験に出る『1.2.3』」を時間をかけて読み込み、理解力を深め、法律の表現方法の国語力に慣れていった。
- 「一問一答過去問BOOK」(択一50肢を25分以内)及び「出る順社労士必修過去問題集」を分解し、「年度ごと問題」にまとめ直し、特に択一210分の回答時間を強く意識して(各科目25分以内)、合計8回繰り返し、時間管理と間違う項目の理解に努めた。
- 過去問5回以上、公開模試等3回以上繰り返す。⇒問題を解き、テキストで確認するのが理解と記憶に有効である。テキスト中心では、私の場合、理解と記憶の確認ができない。これが解答力と、本試験時の時間管理の自信に大きな向上となったと感じている。これも山下先生の繰り返しの指導である。
- (3)「45・46点」をとる勉強をすること、高得点は必要ない。
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- テキストの全項目を理解し、記憶することは無理である。過去問に数多く出題されている項目及び点数問題、受験者たちの正解率が高い(基準Ⅰ、Ⅱ)は、正解するようにするようにしなければならない。⇒過去問の基準Ⅰ、Ⅱの問題を意識して、過去問を解きまくると、理解し、記憶することに通じる。
- 講義で注力されない項目、テキストにない項目は、間違ってもよい、出題があれば、知らないと割り切る。
- 本試験ですべてを解答しなくてもよいと割り切る。⇒これが今迄できなかった。割り切れば時間に余裕ができる。落ち着いて解答できる。
- (4)ノート3冊を書いてみよ
- 主要各法律の基本的重要文言及び数字を抜き出し、ノート3冊は、書いてみること。本指導は、そのまま実行できなかったが、自分なりのノートを作成した。→「一問一答過去問BOOK」の2回以上間違えた肢、及び点数肢の留意肢につきノートを作成した(かなりの時間がかかった)。
また、「年金で点を稼げ」「障害を理解して、年金を好きになれ」の指導で、障害につき横断(国民年金、厚生年金、労災保険)して、ノートを作成して理解を深めた。このノート作成が、遺族等の死亡、老齢さらに適用事業、被保険者等の横断ノートの作成につながり、会社時代に、同期三人に悪筆といわれた私なりのノートではあるが、理解と記憶の向上につながった。結果としてノートは3冊半となった。やはり、書くことにより理解は深まる。 - (5)過去問の「解答・解説」から見て、問題肢に戻れ
- どのように間違い肢を作ってきているかを強く意識して勉強をすれば、出題の意図がわかり、勉強を効率的にでき、勉強時間の節約にもつながる。解説の「なお」書きにつき予想していなかった場合、理解していなかった肢につき、留意して理解・記憶に努めた。
- (6)法律の「条」の展開を意識せよ
- 法律の「条」の展開を意識して勉強すれば、体系が理解でき、内容と展開及び各項目の繋がりが良く理解できる。今迄は、条文番号など憶えられない、試験問題の各肢と関係ないとまったく意識せず、無視していた。例として、「徴収法」の「概算保険料の延納」(法18条)は、15条・概算保険料、16条・増加概算保険料、17条・概算保険料の追加徴収と18条に展開され、延納となっている。すなわち、増加概算保険料・追加徴収(継続、有期に関係なく)はすべて、15条の概算保険料の展開として、延納できる。一例であるが、これにより理解が簡単になり、徴収法の点数が獲得できる科目になった。
2. 本試験に向けての心構えと準備
- (1)解答時間を強く意識して、公開模試等のテストを受ける。
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- 公開模試、実力確認模試、本試験予想答練、確認テストを本試験の持ち時間(択一:210分)を強く意識して受験する。
- 長文肢・計算肢・個数肢を除いて、公開模試、自習の年度別過去問テストを各科目25分、合計25分×7=175分で解答を終えるよう、意識してできるまで繰り返す。
- 点数(正解)肢が答えられれば、後の肢は見ないで次の問題に進む。⇒模試等の問題演習での繰り返しで、このやり方の正解度を確認して、自信を持つことにより、時間に余裕ができた。
- 175分の残りの時間で、解答していない問題を解く。→おまけの答えと割り切る。
- (2)公開模試、実力確認模試等による正解力の確認
- 前述したような点に留意して、勉強を行い、公開模試、実力確認模試等のテストを受け、正解点数を確認して、時間的にも、択一問題に自信がもてるようになった。
- (3)本試験時の試験場では、もう復習はしない
- この一年間精一杯勉強した。「努力は裏切らない」と信じ、じたばたしないように決めた。
- (4)昼休みの時間の過ごし方
- 過去2度の本試験の択一問題では問題を読むのに、眼がボ〜っとし、疲れたので昼休みに眼を休めようと考え、試験場の近くで横になって休めるところを探して、インターネットカフェを見つけ、20分程休むことを公開模試受験時より実験し、本試験でも実行した。⇒気持ちに余裕ができ、択一問題に取り組めた。
- (5)その他
- 各科目の数字を憶えるために、カード,PCのID、パスワードを社労士科目の数字(例:afhi1231kuni⇒広域連合への国の負担+調整交付金)に変更して記憶の向上に努めた。
3. 私の受験に向けてのある1日
- 6時から6時30分ごろに起床。約40分、モーニングサテライトを見ながら、整理・ストレッチ体操。仏壇に向かい「お見守りください」と念じ、合掌する。 その後、約1時間弱、社労士の勉強。
- 8時頃に、主としてニュース番組を見ながら、朝食。その後、妻と、ヘボ囲碁。腰痛治療のため整体に通院。
- 11時頃、社労士科目のCDを聞きながら、約1時間、隣接の都営公園を散歩しながら勉強を兼ねる。
- 12時頃に帰宅して昼食。妻とヘボ囲碁。約20分間、昼寝(本試験の昼休みにほぼ合わせている)。
- 13時30頃から社労士の勉強。(自宅又は公園内の図書館)
- 17時頃ディナー。妻とヘボ囲碁。
- 18時、水道橋本校へ、山下先生の講義に出発。地下鉄内で、主として手の平に入る「合格カード」(記述式的)で勉強。
- 19時15分〜21時45分講義。帰りの地下鉄で、「合格カード」中心に社労士勉強。
- 帰宅、入浴後、24時頃に就寝。
4. 「信じよう」「努力は裏切らない」
「信じよう」「努力は裏切らない」を強く意識して、受験勉強をしてください。「人生おかげさま」「一日、一日を大切に」「いつまでもチャレンジ」の座右の銘をもって、エールを頂いた皆様に再度、感謝いたします。
Ⅱ. 社労士試験を志したきっかけ
四年ほど前に、友人が介護ロボット機器製造会社を立ち上げる援助をした時に、参加していた若い社労士さんと出会い、この会社に関する打ち合わせ会で、経営面の相談事などで、手伝ってほしいとの話があった。手伝うにつけては、今迄、私が経験したことがない分野である労働、年金の社労士の仕事を勉強してみようと思い、受験を決意した。さらに、受験という目標ができ、年齢的にも、勉強することにより、「ボケ防止」にもつながり、両得だと考えた。
Ⅲ. LECを選んだ理由
受験を甘く考えており、受験の一年目は、他社の通信教育を受け、知らない分野が勉強でき、面白いと張り切っていたが、結果は、択一式40点であった。残念であったが、これならもう少し勉強すれば大丈夫と、通信教育の教材をそのまま使用して、独学で勉強した。結果は、択一式35点と一年目より下落した。もう年齢も高齢であり、止めようかと考えていたところ、妻が、「石のうえにも三年」という、頑張ってみてはとハッパをかけてきた。それでは、やってみようかと再考して、学校に通った方がいいのではと考え、ネットで調べ、LECが歴史もあり、法律を学ぶには本格的であると思い、水道橋本校の山下先生及び新宿エルタワー本校の澤井先生の相談会に行き、山下先生より合格できる指導をするとのお話をいただき、年齢的にも近いので、山下先生クラスに入り挑戦することを決意した。
Ⅳ. LECの講義、教材、講師の良かったところ
講義制度が、受験生の選択したい講師の講義を受講でき、かつ、Webでも聞ける幅広い選択肢があり、受講生に取り非常に便利で、有益な制度となっている。講師陣が各々の個性とやり方で指導されており、受講生各人が、相性の合う講師の指導に従って勉強を進めるられると同時に、他の講師の講義(Web含む)により、少し異なった観点よりの勉強ができ、復習・繰り返しの勉強に幅が広がり、理解が深まった。「確認テスト」「本試験予想答練」「実力確認模試」、3回の「公開模試」、等のテストが多くあることが、理解力、記憶力、国語力等、本試験に向けて着実に実力向上となった。やはり問題を解く機会が多いのが有効である。山下先生のご指導による、本試験に向けて重要なポイントを次に記載します。
◎過去問の出題数のデータにこだわり、徹底的に過去問を重視して勉強すること。
- 1、各科目の講義前に、まず「一問一答過去問 BOOK」により問題を解くこと。
- ⇒講義の理解力が早まる。
- 2、過去問の出題数の多い「章」「節」「項目」を重点的に勉強すること。
- ⇒全てを理解しようとしないこと。
- 3、「一問一答過去問 BOOK」
- ⇒補足点、追加点を等を書き込みをテキストに替えるようにすること。
- 4、「条」にこだわり、「各条」の繋がりを重要視すること。
- ⇒理解力がつき、基本的な間違いがなくなる。
- 5、各法律の制定の主旨、歴史をを知り、全体を理解すること。
- ⇒横断的な理解に有効である。
- 6、肢の文章で、違和感がある文言に留意すること。
- 例)「必要はない」「いかなる理由があろうとも」
- 7、肢の最後の「問いかけ」を最初に読むこと。長文肢の問題、個数問題、数の計算問題は後回しにすること。
- ⇒時間の効率がよくなる。
この過去問の出題データによる過去問徹底中心学習指導は、過去問に固執しすぎではないかと思ったが、本試験ではやはりこの方式が正解であると理解した。山下方式の「点数」(正解肢)重視の指導も最初は理解できなかったが、ポイントはレベルⅠ、Ⅱ、(多くの人が正解とする肢)を確実に理解することであると理解できた。
Ⅴ. 復習や学習方法で工夫したところ
毎学習の方法を、次のように設定した。
- 過去問中心に、繰り返し問題を解くこと。
- 間違った肢の章、節を徹底的に「テキスト」「ネット」などで調べ、理解をすること。⇒かなりの時間を要するが理解の向上に有効。
- 「一問一答過去問BOOK」で2度以上の間違い又は不完全理解の肢を「間違いノート」として作成した。⇒多くの時間を要したが本試験直前の復習に有効。
- 過去問を5回以上解くこと。
- 確認テスト〜公開模試の各テストを3回以上解くこと。
- 理解を確実にするために「章」「節」(例:障害、死亡、老齢、適用事業所、被保険者など)を各法律を横断して、「Perfectテキスト」により各条の繋がりを意識し、自分として理解できるようノートに書いた。⇒書くことにより理解が大幅に進んだ。
- 「出る順社労士必修過去問集」を分解して、「年度ごとの問題」にまとめ直した。⇒これにより、択一の過去問を3時間(試験時間終了の30分前)で長文、個数、計算問題を除いて仕上げるよう時間管理した。⇒山下先生の指導であり、絶大な効果があった。以上の学習の根本的狙いは、択一問題の「時間不足」の恐怖を解決するためであり、各問題を解く時には、時間管理を徹底的に行った。(例:50肢(各法出題肢数)25分以内、年度別過去問3時間以内)⇒繰り返しやることにより、公開模試では、できるようになったり、本試験向けの自信につながった。
- 選択対策として、「出る順選択式徹底対策問題集」は、解答部分のみでなく、他の字句、文言をチェックすることにより、有益な教材となり、かつ、択一式の理解・記憶の向上にも役立つ。⇒分厚いので科目ごとに分解して活用した。
- 数字の記憶方法として、PC、カードなどのID,PWを法律の数字とした。(例afhi1231kuni→後期高齢者医療広域連合への国の負担+調整交付金)。
Ⅵ. スランプ克服法・苦しい時、どう乗り切りましたか?
「何度も同じ間違いをする」「覚えたつもりが忘れてていた」「「試験練習をしたが時間が足りない」などのことがあり、時折、こんなことでは試験に合格できない。やはり高年齢で無理なのかな?ーーと思うことがあった。5月初め頃から、散歩時に足が痛くなり30分ほど歩くと休憩しないと歩けない。さらに腰痛になった。近所の整体にほぼ毎日のように通い、整体師さんに、社労士試験を受けることを話した。「合格カード」で、電気治療をしている時間などにも勉強をし、整体師さんにエールをもらって治療を受けた。回復してきたが治療は、受験後まで続いた。「受験時に腰が痛くなり座っておられなくならないよう治療します。」と励まされ、信頼して通い続けた。おかげさまで、状態が良くなっていった。整体師さんは、信頼して通いつ続けていただいたからですと言われた。山下先生の指導を信じて、教えに従い、過去問を繰り返し理解し、時間管理をすること。同じように治療も信頼して受けるけること。すなわち、何事も、信じて、粘り強く、自ら努力を重ねることが、不安、スランプを克服し、自分に自信が持てることに繋がると確認できた。「信じよう」「努力は裏切らない。
Ⅶ. 今後、社労士資格をどう活かしていきたいですか?
今迄に経験した、経営力に社労士の法律の知識を加え、労働者の視点、経営者の視点の双方を調整できる経営コンサルをしたいと考えています。この点でも、山下先生、澤井先生の実務経験に基づく講義は、刺激になりました。また、社労士会組織等の相談員の業務があれば、社労士資格を活かし、役立てればうれしいと考えています。お世話になったLECの受験生増加、受験者の皆様に役立てることができればとも思います。
Ⅷ. これから受験される方へのメッセージ
社労士試験の受験者は、推測すると、大学生から私のような高齢者まで幅が広い。受験の目的は、さまざまに異なります。受験される方々が、受験時点での合格後の明確な目標を持たれることが、合格への強い勉強意識につながると思います。資格マニアとして、受験される方もおられるかもしれません。これはこれで一つの趣味ですが、やはり、資格を活用して、社会に役立つ(仕事として活用することが社会に役立つ)ようにしていただきたい。面白いサラリーマン人生を送ってきた私としても、最近、資格を活かし、「士業」をやって人生一生現役もいいなと思うようになっています。後悔ではありません。また、社労士試験に合格する目標を立て、チャレンジすることは、人生の道程での幸せとも言えます。最後に、今回、最高齢で、かつ、私たち夫婦の金婚の時期、オリンピック延期、新型コロナの発生といろいろ重なった年に、山下先生のご指導、澤井先生の授業のおかげで合格できたことに感謝申し上げます。