工藤先生には、受験勉強だけでなく、合格後の心構えや学ぶことの楽しさも学ばせていただいた。
今堀 祐介 さん (30歳代)
受講した講座 | 工藤プロジェクトSwing−byセミナー |
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コースの受講形態 | 通学 |
受験回数 | 4回 |
社労士受験を志した理由
もともと労働分野で社会貢献をしたいと考えており、労働関係に強い弁護士を目指して法科大学院に進学をしました。しかし、親が病気になってしまい、大学院を休学して実家に帰りましたが、状況が良い状態とならず復学をすることはできませんでした。中退してしまいましたが、労働分野での仕事をしたいという夢は捨てきれず、弁護士以外の職業を調べたところ、法律の知識を活かしつつ、労働分野で社会貢献できる社会保険労務士という職業を知りました。社会保険労務士であれば、法科大学院での学びを無駄にせず、自分の夢を叶えられると思い、資格取得を志しました。
LECを選んだきっかけ
大学院時代の友人に「社会保険労務士の資格を取ろうとしているが、独学では限界がある」という相談をしたところ、その友人がLECで働いており、工藤先生のことを教えてもらいました。その後、受講相談会の案内をしてもらい、直接工藤先生とお話をさせていただき、講義の進め方や工藤先生の社労士試験受験に対する姿勢に共感をし、一つ返事で受講を決めました。
インプット時期の学習方法を教えてください
- 【9月〜2月の勉強】
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9月から翌年2月は、記憶ではなく、理解を深める時期として学習をしていました。学習の方法は、数字や文言を覚えるのではなく、各制度の趣旨の理解や、時代背景の理解に重点的に力をいれていました。
- (1)講義の受ける前
- 講義を受けるにあたり、予習にかなり力を入れていました。予習の段階で、分からないところを徹底的にあぶり出し、講義ではとにかく工藤先生の話を聞くことに集中しました。その上で、テキストには記載されていない工藤先生の説明を聞き洩らさずメモをとっていました。
- (2)講義中
- これは工藤先生の講義を受けている人限定なのですが、工藤先生が受講生に対して問題を出した際は、間違ってもよいのでしっかり解答をしてください。正解していれば自信につながりますし、間違ったとしても、その恥ずかしさによるものなのか知識が定着します。私の場合は、間違った問題ほど頭に鮮明に残っています。
- (3)講義を受けた後
- 講義を受けた後は、テキストに書き込んだメモを見て、分からなかったところを人に説明できるかを試していました(妻にはよく私の「授業(?)」を聞いてもらいました笑)。人に説明し、聞いた相手が理解をしてくれていれば、自分も十分理解できていると判断をし、次に進んでいました。ただ上記の勉強方法は、ある程度の知識があり、「あとは穴を埋めるだけ」というレベルの方にとっては有意義ですが、穴の方が多い初学に近い方には時間が足りなくなる勉強方法かもしれません。
実戦答練以降の学習方法を教えてください
- 【3月から5月】
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第1回全国模試前には、すべての教科を仕上げるつもりで細かい知識の定着を意識した勉強を進めました。この時期から勉強時間が従来の倍くらいが必要になりました。具体的には、テキストの回し読みを通じ、給付日数や保存期間などの細かい事項(重要な箇所は工藤先生がマーカーをしてくれています)の拾い読みをしていました。
その際、1冊完読するのにかかった日数を強く意識していました。というのも、理解が深まっていれば完読に時間がかからないのですが、理解が足りない科目(単元)については、スピードが落ち、完読に時間がかかってしまいます。なので、スピードを意識することを通じて、自分の理解度を確認していました。目安としては、1日あたり100〜150ページを読み進めることができていれば、概ね理解していると判断をしていました。読むスピードが落ち、100ページも読めなかった教科や単元については、別途勉強時間を設けて理解を深める勉強をしていました。
難しかったのは、早く読むことを目的化しないことでした。早く読むことは記憶の定着と理解度の確認のための「手段」であり、早く読めない科目(単元)がある時は、早く進みたいという気持ちをグッとおさえて、一度立ち止まり、腰を据えて弱点を潰す時間を作ったことが点数アップにつながったと思っています。
アウトプット(問題を解く)については、必要に応じて行っていました。細かい知識については、何度も問題を解くことによって記憶が定着するということもあるので、アーカイブの冊子も各科目2周くらいはしました。ただ、勉強時間全体で見ると比重は低かったです。 - 【5月〜試験直前まで】
- 第1回模試〜第3回模試を通じ、アウトプットという観点での弱点が炙り出されてきたので、従来のメニューにアウトプットの訓練を加えました。具体的には、模試で間違えた問題について、なぜ間違った解答を選択してしまったのかについて分析を行っていました。「不正解」という結果は一つですが、そこに至るプロセスは複数のパターンがあります。特に、「知っていたのに間違った」というパターンについてはかなり注意を払いました。個人的には、これは単純なエラーではなく、複数の要素(論点の理解の甘さ、法令の趣旨の理解の浅さ等)により生じる重大な欠陥と認識していました。ケアレスミスと片づけるのは非常に危険です。
スランプ克服法・苦しい時、どう乗り切りましたか?
- 【勉強時間の確保】
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社会保険労務士受験については、他の士業の資格と異なり、就業をしながら取得を目指される方が多いと思います。ですので、私も含め、多くの方が頭を悩ませる問題だと思います。
私の場合、上司と相談をし、フレックスタイムでの雇用契約に変更をしてもらえたのが大きかったです。そのうえで、仕事を最小限のエネルギ―で片づけ、まとまった勉強時間を確保することに努めました。人によっては、こまごまと勉強時間を確保する方がよいという方もいるかもしれませんが、私の場合はまとまった勉強時間で集中して勉強を行いたかったので上記のようにした次第です。 - 【家族や周囲の方の理解】
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社会保険労務士だけでなく、すべての資格取得試験にいえることですが、勉強をすることは自分にとっては当然のことなのですが、家族にとってその勉強時間は外形的には「自分勝手な時間の使い方」です。したがって、家族にしっかりと理解を得ることは大きな課題だと思います。私は結婚しており、子どもはいませんが、勉強時間の確保にあたり、妻にはとても負担をかけました。しかし、深い理解をしてもらっていた(と信じたいです…)ので、勉強を続けられたと思います。
極めて抽象的ではありますが、何よりもまず、勉強をさせて「いただいている」と思い、感謝の気持ちを持ち続けることだと思います(笑)。そうすれば、ちょっとしたケンカをしそうになっても、グッとこらえることができるはずです。でも、ごめんなさい、この項目については自分の発言に全く自信が持てません(笑)。実際は結構ケンカも普通にしていましたし…でも、感謝の気持ちは持ち続けていたことは間違いありません。 - 【モチベーションの維持】
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これも皆さんが抱える問題だと思うので、多くを語るようなことではないですが、とにかく、就業をしながらの勉強は心身双方にダメージが大きいです。何度も同じところを間違ってしまったり、何度読んでも理解できなかったり、細かい知識が定着しなかったり、自分は本当に試験に受かるのか?という疑念に何度も襲われます。心が折れてしまいそうになることは多々あります。
第一に、「社会保険労務士に必ずなる」という強い思いを持ち続けることだと思います。次に、勉強や心のモヤモヤも含めて、すべてを楽しむことだと思います。試験までの一年は長いので、常にやる気マックスの状態は維持できません。体力的に疲弊して、勉強していても身が入らないこともあります。もちろん、私もダラついた時期はありました。しかし、社会保険労務士になるという強い思いがあると、ダラダラしているとやがて焦りと不安が生じ、勉強モードに気持ちが切り替わります。
また、受験勉強のしんどさや様々なプレッシャーも、今しか味わえない青春だと思えば、楽しいとまではいかなくとも、充実した時間だと感じられるのではないでしょうか。もし焦りや不安が生じないのであれば、社会保険労務士になりたいという思いはその程度ということなので、諦めた方がいいかもしれません。大してなりたいと思えないもののために苦しい受験勉強をしても、勉強自体を楽しむことはできないですし、人生がつまらなくなります。人生は一回なので、自分にとって楽しい人生を過ごすべきだと思います。振り返ってみれば、結局のところ、私は色んなしんどさも含めて、社会保険労務士になるための勉強自体も楽しめていたな、と思いました。私、36歳ですが、青春してましたよ。
LECで受講して良かった点
何よりも、工藤先生の講義を受けられたことです。工藤先生には、受験のための勉強だけではなく、社会保険労務士になってからの心構えや学ぶことの楽しさも学ばせていただいたと考えています。講義で工藤先生がお話をされた「雑談」には、受験に役立つ知識だけでなく、社会保険労務士になった後に何を勉強すれば良いかという指針も多く含まれていました。試験に合格した際、最初に思ったのは、「やった合格した!さぁ自由だ!」ではなく、「よし、労働法分野の勉強をはじめよう」でした。これは、工藤先生の講義を受けることにより、社会保険労務士としての具体的なイメージを持たせてもらったことに起因すると思っています。おそらく、工藤先生の講義を受けていなければ、合格後のイメージをここまで具体的に持つことはできず、社会保険労務士としての第一歩を踏み出すのが遅れてしまっていたと思います。
全日本社労士公開模試を受験して良かった点
「実戦答練以降の学習方法を教えてください」の回答のとおり、アウトプットを行うにあたっての弱点の抽出に非常に役立ちました。
合格までに受講した道場講座について教えてください
- 【工藤講師】Kudo Project “Swing-by” seminar 2020 公開講座
- 【工藤講師】合格レスキュー2020 FINAL
- 【工藤講師】最後に“すっきり! 整理!”道場
フォロー制度の活用方法について
一般常識に不安があり、選択式では何度も悔しい思いをさせられたので、「ぱんメル」はかなり有意義でした。ちょっとした余り時間等をうまく活用できたので、大変心強いコンテンツでした。また、一般常識を苦手とする要素に、「広範な出題範囲」というのがあったので、滝先生が的確に的を絞って短くまとめてくれているのも大変助かりました。
就業しながらの受験勉強だったので、どうしても講義の日に仕事が入ることもありましたが、休んでも後日Web上で講義を受けられるというのが一番の魅力でした。
また、講義を受けた際に、一度では消化しきれなかった箇所については、再度講義を見ることによって消化不良の個所を潰せたのは非常に大きかったです。加えて、スマホに講義データを保存できるアプリも提供してもらっていたので、通勤時間中にも講義を聞き復習をすることができたことは、点数アップにつながったと思います。
社労士資格をどう活かしていきたいですか?
弁護士事務所にいることから、事件化した労働問題を扱う機会が多くなるため、特定社会保険労務士資格を取得し、単独で労働事件についての交渉を行えるようになることを目指します。
ただ、第一には、社会保険労務士として労働事件の発生を予防することに力を注ごうと考えています。法律問題は病気と同じで、予防が肝心だと考えています。最近調子が悪いなぁ、と病院に行ったら手遅れなくらい病気が進行してしまっている、というのと同じで、「なんだか最近やたら通知くるなぁ、専門家に相談するか」と弁護士事務所の門を叩いた段階では、手遅れになってしまい、一定の損害を飲み込まなければならないくらいに事態が悪化している、ということは珍しいことではありません。なので、私は労働分野において、労働者も使用者もダメージを負うような事態を招かないような労務管理や制度設計を行い、事件の発生を防止することを通じて、労使双方の幸福を追求できる人材になろうと思っております。何より、私はケンカが嫌いなのです。
これから受験される方へのメッセージ
私は何度も試験に落ちた身なので、偉そうなことは言えませんが、一つ言えることは、「不正解」という結果に真摯に向き合ってください。不正解になった問題を正解できるようになるという作業を繰り返せば、いつかは必ず合格できます。
もう一点、日頃の行いは良くしておいてください(笑)。社会保険労務士試験は、やっぱり運の要素は大きいと思いますので。また、社会保険労務士は法律を扱う仕事であり、高い倫理観を求められる職業です。お天道様に顔を向けられないようなことはしない方がいいんです。