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税理法人には無限責任が必要

−税理士事務所の法人化、弁護士などとワンストップ・サービスを展開する総合事務所の必要性ということがよく取り上げられるようになっています。これについてはいかがお考えですか?
  「税理士、弁護士、弁理士などが一緒になった事務所があり、その事務所に行けば、どのような要件も依頼することができる。将来の展望としては、私としても、そのような総合的法律・経済関係事務所の方向にもって行くべきだと思います。
  しかし私は当面は、税理法人を実現すること、それによって税理士の地位を確立することに目標を置くべきではないかと提言しています。今までのようにひとりの税理士がひとつの事務所でやるのではなく、税理法人にして、複数の税理士を置く。そして、国際租税、所得税、
法人税、消費税と、それぞれの専門家が集まり、とかく税関しては、その事務所でありとあらゆることをこなせるようにする。いわば町医者か ら総合病院への転換という考えです。まずそのような税理法人を実現してから、次の段階として、総合的法律・経済関係事務所の実現にもっていくべきだと思います」

−税理法人としてふさわしい形態はどのようなものがあるでしょう?
  「もともと税理士は税を扱うという公共的な性格の仕事をしているのですから、法人化する場合、合名会社のように無限責任を負わせるべき形態をとるべきだと思います」



−税理士と弁護士が共同の事務所で仕事をするようになるとき、留意すべき点は?
  「弁護士法と税理士法との本質的な差異を踏まえたうえで、共同事務所を考えれば、問題は生じないと思います。弁護士というのは社会的正義を実現するために権利を擁護するという立場をとります。一方、税理士は納税者の権利を擁護するためにいるわけではありません。あくまで適正な納税義務を実現させることによって、租税正義を実現することが使命です。同じ法律家でありながら、使命とするところは違うわけです。それぞれそのお互いの立場を理解して、制度の違いを十分把握すれば、弁護士と税理士が共同で仕事をしていくことは十分可能であると見ています」



 
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