『難関通関実務をLECで克服。』
今井 真人 さん
年齢 | 40代男性 |
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受験回数 | 4回 |
ご職業 | 公務員 |
1週間のスケジュール
職業と資格の関係、通関士試験を目指した理由
私は東海地方の公務員で通関業とは無縁の者です。これから述べることは通関士試験合格の遠回りの記録であり、これから通関士試験を目指される方、特に業界外の方にとって反面教師として参考にしてもらえれば幸いです。
私が受験を目指すきっかけは、産業支援の部門に配属となり、農産物の海外輸出の取組が割とメジャーとなったこと、国内唯一の内陸部の指定保税地域の存在を知ったことでした。それが縁で、商学部出身で割と貿易に違和感がなかったので資格取得を目指すこととしました。
受験1年目はお試し受験で通関業法以外は全く歯が立ちませんでした。
受験2年目は1年目の反省で相当な勉強が必要と考え、某受験予備校へ半年間、週1回通学することとしました。東日本大震災の被災年で仕事も忙しく、よく通学できたと感じています。また、貿易関係の資格を体系的に取得しようと考え、民間資格である貿易実務検定を通信教育で学びました。このとき学習した貿易条件の定義であるインコタームズ2010の10類型の学習は、通関士試験の勉強にも役立ちました。この年、貿易実務検定C級を取得しましたが、通関士の本試験では輸出入申告書対策の演習が絶対的に足らず、通関実務で涙を飲みました。
受験3年目は再び独学で臨むことにし、市販の教本と複数の問題集で問題のシャワーを浴びました。加えて、武者修行が必要と考え、模試をLECも含めて4社ぐらい受けました。この年、貿易実務検定B級を取得しましたが、通関士の本試験では通関実務があと2点足りませんでした。本当にショックでした。何かがおかしいと思い、検証すべく、11月に行われたLECの本試験分析会に参加しました。分析会で伊藤講師が話す本試験に関する講評の内容と自分が考えていたこととの相違を感じ、何度も何度も質問をしたことを覚えています。
受験4年目の昨年は、止めようと思いましたが、この本試験分析会の場で伊藤講師から「受講すれば合格レベルに達する。」との話があったことや妻の勧めもあり、また、大学も4年間学ぶのだからと思い直し、再度、受験に挑むこととしました。通関実務に対する独学の限界を感じ、模試が一番難しいと感じたLECのDVD通信講座である「必勝コース」(現・初受験合格コース+通関実務対策講座 上級編)を受講することとしました。その際、奨学生試験により受講料が半額になり、金銭負担が軽減され、とても助かりました。
LEC通関士コースについて
私の受講した必勝コースはパーフェクト講座(現・知識獲得講座+通関実務対策講座 上級編)、パーフェクト演習(現・過去問攻略講座)、分類、計算及び申告書の実務対策講座(現・通関実務対策講座 標準編)、同上級実務ゼミ(現・通関実務対策講座 上級編)、法律改正点並びに模試で構成されていました。
パーフェクト講座は、櫨畑講師の明快な話し方で初心者はわかりやすいと思います。複数回受験の経験者はまどろっこしいかもしれませんが、知識のムラをなくすため見た方がよいでしょう。時間を気にする方はパーフェクト演習からの受講でも構わないと思います。
実務対策講座からの伊藤講師は長い経験に裏打ちされた講義でした。上級実務ゼミ(現・通関実務対策講座 上級編)は、合格コース(現・初受験合格コース)には含まれていませんが、経験者にも必須だと考えます。というのは、市販のテキストに出ていないような、私も「初めて」聞いたというポイントがいくつかあったからです。
学習方法
勉強の開始時期は年々早くなり、この年は、2月後半から開始しました。妻も一緒に勉強を始めたこともあり、パーフェクト講座は妻が関税法から、私が関税定率法から見始めました。結局、関税法のパーフェクト講座は時間の関係で見ませんでした。また、他の資格試験受験は諦め、通関士試験一本に絞ることとしました。昼の休憩時間に20分程度、仕事終りの19時過ぎから約1時間程度、帰り道の途中にあるLECの自習室に通い、直前期の1か月間は寝る前に小1時間、土日は2時間程度勉強することに努めました。通関士試験には500時間程度の学習が必要と言われていますが、自分は時間数ではなく8か月間程度、勉強を習慣付けることが必要と考えます。時間外労働や飲み会などで予定どおり出来ないことが多々ありましたが、できる限り継続的な勉強に努めました。某受験予備校時代の勉強仲間と情報交換していましたが、周囲に仲間がおらず、LECの「教えてチューター」というWEB質問システムを活用し、疑問点を何度も質問しました。短時間で回答いただき、とても役立ちました。模試はLECも含め4回受験しました。A判定は半分ですが残りも順位は上位でしたので勇気付けられました。上級実務ゼミの分類、計算及び申告書対策の演習問題の量が多くて、試験直前までかかりました。はっと気付く点があり、実力養成につながったと感じています。結局、法令改正点まで手が回りませんでした。本試験で対策出来たのはたくさん模試を受けた成果と考えています。
試験当日は台風直撃で会場に着く前にずぶ濡れという最悪の環境でしたが、落ち着いて受験出来ました。自己採点で通関業法が約9割、関税法・関税定率法等が語群選択式の設問事項が想定外だったこともあり約7割、通関実務が約8割の正解を得ることができました。時間を拘束するわがままを許してくれた家族に感謝しております。
通関士試験を目指す人へのアドバイス
これから通関士試験を目指される方に伝えたいことが、4点あります。
第1に民間資格の貿易実務検定との同時学習はお勧めしません。通関士試験とクロスする部分もありますが、その範囲が狭いため、散漫となります。
第2に独学はお勧めしません。受験予備校にはやはりノウハウがあります。市販の教本は要領よくまとめているため、落ちている部分が多いです。独学の場合は、通関実務の申告書対策に必要な現実支払価格と加算要素に係る基本通達情報が載っている日本関税協会の「通関士の指針」がよいと思います。
第3に模試をたくさん受けてください。試験慣れでなく、設問情報を得てください。某模試の関税法・関税定率法等で「必要があれば蔵入承認申請書と保税運送承認申告を兼用できる」旨の設問があり、講評時にこれは実務ではよくあることなので必ず正解願いたい旨の話がありました。こうした知識は業界外の方は入手困難なので、模試問題はテキストと考え、たくさん入手してください。
最後に通関実務の申告書対策についてです。貨物分類と関税率表の解釈に関する通則及び現実支払価格と加算要素の知識を深く問う問題ですので、関税法・関税定率法等で約7〜8割程度は正解するレベルにならないと合格は厳しいと思います。
今は新たな挑戦のため、引き続きLECにお世話になっています。諦めずにがんばってください。必ず道は開けます。
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