ITストラテジスト試験の難易度は?
合格率・試験内容
Al、IoT、web、アプリなどの例を挙げるまでもなく、企業・行政・公共機関が何かをやろうとするとき、そのベースには必ずITが存在します。ITストラテジスト試験は、そのような「経営・行政におけるITの利活用(業務能力)」を測る試験です。企業や官公庁で企画/IT業務に従事されている方、リーダー職、経営管理職を目指される方に最適な資格です。
「ITストラジスト」の試験制度、試験難易度や合格後・試験内容をご紹介します。
- ITストラテジスト試験の制度
- ・種類別試験の範囲
- ・試験内容
- 試験の難易度・合格率
- 出題問題
- LEC「ITストラテジスト試験合格講座」の特長
- LECがおすすめする講座
- 個別受講相談
- よくある質問
ITストラテジスト試験の制度
ITストラテジスト試験出題範囲は広く、コアであるITや経営学だけでなく、企業会計、関連法規にまで及びます。ITパスポート試験、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験などのIT系資格のほか、中小企業診断士試験とも出題範囲が重なる部分が多いため、それらの資格の学習経験者や合格者の方のステップアップにも最適です。そのほか、簿記検定やリテールマーケティング(販売士)、ビジネス実務法務検定などの非IT資格などとも重なります。文系出身者の社会人の方がすでに学んでいる知識が役に立ち、プログラミングが苦手でも挑戦できるので、文系出身者でも挑戦しやすい資格です。また、情報処理技術者試験のひとつであるプロジェクトマネージャ(PM)や、民間資格のITコーディネータなど、システムの利活用や導入・運用に関する資格との親和性も高く、知識の幅も広がるため、それらの資格保有者の方にもおすすめです。
ITストラテジスト試験は、そのような「経営・企画とITを結ぶ」試験として、数ある情報処理技術者試験の中でも最難関の「高度情報処理技術者試験」の一角をなします。
種類別試験の範囲と試験内容
受験要件
試験実施団体
ITストラテジスト試験は情報処理技術者試験の一試験区分であり、「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家試験です。
IPAは、同法の定めにより試験を実施しています。
受験資格
受験資格は特になく、誰でも受験できます。学歴・国籍・年齢などの受験資格制限は一切ありません。
試験の免除について
試験は、1日で4区分の試験が行われ、午前Ⅰは免除制度があります。
出典:IPAのWebサイト・試験の概要
- 午前Ⅰ試験免除
- 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験次の①から③(参照:上図①〜③)のいずれかの条件を満たした場合、その後(2年間)の受験申込み時に申請することによって、情報処理技術者試験の高度試験の一部(共通的知識を問う午前Ⅰ試験)が免除され、午前Ⅱ試験から受験することが可能です。
- 情報処理技術者試験の高度試験の一部免除対象となる条件
- (いずれか一つでも満たせばOK)
- ①応用情報技術者試験に合格(参照:上図①)
- ②情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験のいずれかに合格(参照:上図②)
- ③情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績をとる(参照:上図③)
試験日程
筆記により春期(4月)の年1回実施
※今年度は令和6年4月21日(日曜日)に実施しました。
次回日程の詳細については実施試験団体HPをご覧ください。
受験料
7,500円(10%税込)
試験内容
ITストラテジスト試験の出題範囲は広く、経営戦略に基づく ITを活用した事業戦略、IT によるビジネスモデル、事業戦略の実現可能性確認、情報システム戦略、製品・サービス・業務・組織・情報システムの改革プログラム全体の進捗管理等に関することが出題されます。
1日のうちに午前Ⅰ、午前Ⅱの多肢選択式(四肢択一)と、午後Ⅰ、午後Ⅱの記述式試験を行います。
区分 | 出題形式 | 試験時間 | 出題数・解答数 |
---|---|---|---|
午前Ⅰ | 多肢選択式(四肢択一)30問 | 9:30〜10:20(50分) | 出題数:30問 解答数:30問 |
午前Ⅱ | 多肢選択式(四肢択一)25問 | 10:50〜11:30(40分) | 出題数:25問 解答数:25問 |
午後Ⅰ | 記述式(最大 数十字) | 12:30〜14:00(90分) | 出題数:3問 解答数:2問 |
午後Ⅱ | 記述式(約2,000字以上) | 14:30〜16:30(120分) | 出題数:2問 解答数:1問 |
試験の難易度・合格率
試験は1日のうちに午前Ⅰ、午前Ⅱの多肢選択式(四肢択一)と、午後Ⅰ、午後Ⅱの記述式試験を行います。
各試験で6割以上の得点を取れば合格になるという絶対評価の試験で、合格率は例年15%前後です。ITストラジスト試験合格率推移
『IPA 独立行政法人 情報処理推進機構』の統計資料によると令和5年度のITストラジスト試験の合格率は15.5%(受験者数4,972人 、合格者数769人)という結果でした。
過去のITストラジスト試験の合格率の推移は、以下のようになっています。
- ※2014年から2019年までが秋期試験データ。
- ※2021年から2023年までが春期試験データ。
- ※2020年は試験データの記載なし。
引用:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 統計 令和6年度 推移表
出題問題
ITストラテジスト試験は、1日のうちに午前Ⅰ、午前Ⅱの多肢選択式(四肢択一)と、午後Ⅰ、午後Ⅱの記述式試験を行います。
それぞれの試験時間と問題数は午前Ⅰ 50分30問、午前Ⅱ 40分25問、午後Ⅰ 90分3問、午後Ⅱ 120分2問です。
令和6年度(2024年度)春期分の過去問から各分野の問題を紹介します。
こんな問題が出題されます
【参考】テクノロジ系の問題
出典:令和6年度春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅰ 問題 問7
【参考】ストラテジ系の問題
出典:令和6年度春期 ITストラテジスト試験 午前前Ⅱ 問題 問8
【参考】数的/情報処理技術問題
出典:令和6年度春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問題 問24
過去問は情報処理推進機構(IPA)の公式サイトに掲載されています。
LEC「ITストラテジスト試験合格講座」の特長
- 特長①ベテラン講師による講義
- 情報処理技術者試験の実施団体である独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)でセキュリティプレゼンターも務め、ほぼ全ての情報処理技術者試験に合格。IT資格試験を知り尽くした講師。
- 特長②「暗記よりも理解」を重視する講義
- 複雑なテーマも具体例を用いて理解を促し、独力で対応できる力を養い、理解力・得点力の双方を短期間でアップさせ、最短合格へ導きます。
- 特長③コンパクトに学べるカリキュラム
- 「午前Ⅱ対策(選択式)」では、過去問(選択式)で演習しながらITストラテジストに必要な理論的な知識をコンパクトに解説し、繰返し出題される重要論点を確実に得点することを目指します。午後Ⅱ試験に使える知識も追加でポイント解説します。
- 「午後Ⅰ対策(記述式)」では、特に問題を難しく考えすぎる傾向がある方に対し、過去問(選択式)で演習しながら、技術力や技術的知識が無くても、問題文の誘導に従い、制限時間内(45分×2問解く必要がある)にシンプルに答えるためのテクニックを習得します。持論を述べないことも、特に経験者は要注意です。ITストラテジストが現場で必要な知識についても過去問(記述式)解説の中でポイント解説します。
- 午後Ⅱ問題(論述式)は経験がなくても心配無用ですが、書けば受かるわけではなく、出題の型をよく理解して、制限時間(120分)内にシンプルかつ的確な解答が求められます。「午後Ⅱ対策(論述式)」では、シンプルかつ的確な論述が苦手な方に対し、過去問(論述式)で演習しながら、最低2000字を2時間で書き切るためのテクニックを習得します。立場がブレないよう論述することも重要で、これらを念頭に、講義で解説した過去問を使った手書き練習(復習)も必要です。ITストラテジスト実務で必要な知識についても過去問(論述式)解説の中でポイント解説します。
ITストラテジストの
魅力はこちらから
LECがおすすめする講座
ITストラテジスト試験の出題範囲は広く、経営戦略に基づくITを活用した事業戦略、ITによるビジネスモデル、事業戦略の実現可能性確認、情報システム戦略、製品・サービス・業務・組織・情報システムの改革プログラム全体の進捗管理等に関することが出題されます。
ほかの試験と出題範囲が重なる部分が多いため、それらの資格の学習経験者や合格者の方のステップアップにも最適です。
LECはこれからITストラテジストを取得したい方から更なるキャリアステップを踏み出したい方まで、自己研鑽をサポートするカリキュラムを提供します。
- ITパスポート
(iパス) -
ITに関する基礎知識を理解したい方
- 情報セキュリティ
マネジメント(SG) -
ITパスポート試験に合格し、さらにステップアップしたい方
- 基本情報技術者
(FE) -
IT技術者・エンジニアの登竜門としてIT適正知識を習得したい方
- 応用情報技術者
(AP) -
中堅のIT技術者の方で独学では難しいテクノロジ分野を理解したい方
- 生成AIパスポート
-
AIに関する基礎知識、生成AIの簡易的な活用スキル習得したい方
個別受講相談
- 資格や試験について詳しく知りたい方
- 学習方法やカリキュラムなどの流れを掴みたい方
- 自分に合った最適な講座・割引を提案してほしい方
LECでは受講前の受講相談も実施しています。
受講相談は各本校にお問い合わせください。
よくある質問
- Q.ITストラジスト資格を取得後、どのような活用シーンがありますか。
- A.人事評価などへ反映されることがあるので、お勤めの方は会社へ資格取得の申請をするとよいでしょう。資格手当が支給される場合もあります。また、就職や転職時の際にも、高度IT人材であることをアピールできます。
- Q.現在の業界の現状や役割について教えてください。
- A.ITストラテジストは、経験豊富で、企業の経営課題の解決支援を行うような、部長クラスの役割の方のイメージです。IT技術者としてのキャリアアップには不可欠な試験と言えるでしょう。人手不足が深刻化しているIT分野および経営層と対等にやりとりする分野での活躍に役立ちます。
- Q.ITストラジスト試験合格率や勉強時間はどれぐらいですか。
- A.試験実施団体の情報処理推進機構(IPA)から公開されている資料によれば、ITストラテジスト試験の合格率は14%程度で推移しています。約10人に1人の合格率ですので、難関試験に分類されるでしょう。勉強時間は、応用情報技術者および論述系の高度区分に1つ以上合格している受験者であれば、200時間程度、そうでない場合は400〜600時間程度必要です。
- Q.短期で確実に合格を勝ち取りたい場合におすすめの方法はありますか?
- A.やはり、短期で確実に合格を勝ち取りたい方には講座の受講をおすすめします。ITストラテジスト試験は多くの受験生が未経験状態です。裏を返せば、方向や対策を間違えずに学習することでライバルと差をつけることが可能となり、十分に合格レベルに到達できます。一方で、この試験はレベルが高いので、効率的に学習しないと膨大な量をこなすことになってしまいます。要点を効率よく学べるのが講座の受講のメリットです。
- Q.独学でも合格できますか?
- A.応用情報技術者やプロジェクトマネージャなどの論述系の高度区分に合格済みの方であったり、実務でITコンサルタントなどの業務に関わっている方であれば、独学で学ぶことも可能です。でもそうでないという場合は、膨大な範囲とレベル感で挫折してしまうかもしれませんので、無理に独学だけにこだわらなくても良いでしょう。
- Q.ITストラジストの合格点は何点?
- A.ITストラテジスト試験は、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱに分かれています。合格基準は午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰのそれぞれで、100点満点中60点以上を取ること。午後ⅡはAランクを取ることで合格できます。午後Ⅰおよび午後Ⅱは解答する問題を選択できるので、得意分野がいくつかあれば合格しやすくなります。なお、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰでそれぞれ60点以上を取らないと、それ以降の採点が行われないので、得点を知ることができなくなってしまいます。例えば、午前Ⅱで60点未満の点数を取ってしまうと、午後Ⅰおよび午後Ⅱは採点されません。
- Q.ITストラジストの資格取得者におすすめの資格はありますか?
- A.中小企業診断士試験がお勧めです。中小企業診断士は、中小企業の経営戦略策定を支援する役割を担います。ITストラテジストはこの経営戦略をもとに情報戦略の策定支援を行うため、経営戦略から情報戦略策定までをカバーすることができ、さらに希少性を高めることができます。
- Q.試験実施団体によって、試験内容や試験日は異なりますか?
- A.試験の実施は情報処理推進機構(IPA)が担っています。試験日は毎年4月第3日曜日に開催されますので、あらかじめ受験のタイミングを予定しておくとよいでしょう。試験内容は、毎年シラバスに沿って実施されますが、大きな変動はありません。
- Q.企業での団体申込みや企業研修はありますでしょうか。
-
どちらも企業様向けに個別に対応しております。
- 団体受講割引支援制度
- 企業様でまとめて講座をお申込みいただく場合のみでなく、従業員の方が個人で受講料をご負担いただく場合でも、一般価格よりお得にお申込みいただける特別割引がございます。
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- 企業様のご要望に合わせたオリジナルカリキュラムの研修もご提案可能で、毎年90%以上の合格率実績のある企業様もございます。
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