--司法書士に簡裁代理権を認めることについて、日弁連には慎重論があるようです。弁護士側にはどのような反対意見がありますか?
「反対意見としては『試験内容から見ても、司法書士には憲法的発想がない。よって人権感覚がない。人権を守る裁判手続きに関与する資格はない』というご意見があります。司法書士は法律家としての実務能力に欠けるという疑念もあるでしょう。もうひとつは弁護士会は自治機能をもつが、司法書士会にはそれがない。法務省に監督される職業人が、果たして国民の権利を国家権力に抗して守ることができるのか。そういう反対論が存在します」
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--なるほど、自治権は重要な論点かと思いますが、これについてはどのようにお考えですか?
「確かに行政事件や刑事弁護を扱うについては、確立した自治権は不可欠な要素だと思います。しかし司法書士が希望している簡裁代理は単純な民事事件が主であり、自治権がないことをもって、訴訟代理権の完全な行使ができないという理屈は通らないのではないかと思います。正義感と良心があれば、必要な訓練を積むことで、その職務は十分遂行できるはずです」
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