反町
弁護士法見直しの焦点のひとつ、法律事務所の法人化についてうかがいます。弁護士事務所をすべて法人化するというわけではなく、個々の弁護士が法人化するかどうかを任意に選択できるのであれば、何ら問題はないと思うのですが?
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吉野
法人化については現在、日弁連と法務省で協議会を設けて、立法化の方向で協議しています。議論の焦点になっているのは、法務法人あるいは法律事務所法人ができたとき、その監督をどうするかです。その問題は弁護士自治との兼ね合わせがあります。もうひとつは法人化したとき、支所を認めるかということです。日弁連として、個人には複数事務所を認めていないわけで、そのあたりの整合性をどうするか。理事会など、さまざまな場で議論しているところです。
反町
法人化は真っ先に認めるべきではないでしょうか。今後、日本はいっそうアメリカと対等な地位で政治・経済活動を行うようになります。そのためには、あらゆる面で、対等な武器をもたなければならない。そのとき、法律は最初に出てくる問題です。アメリカと同じシステムにしなければ、勝負できません。ご承知のように、アメリカのローファームは法人化して、世界中に支店を置くのが当たり前です。
無論、対外的な理由を挙げるまでもなく、法人化のメリットは非常に多いわけです。事務所をひろげる際の銀行からの借入も法人としてできます。弁護士にとっても50代、60代になってから、顧客接待や弁護士会活動など渉外的な仕事などに重点を移すことで、活躍を続けられます。事務所の継続性で顧客の信頼を得るだけでなく、法人からの退職金があれば老後も安定します。
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吉野
法人化にメリットがあるのは当然で、それこそ法人論というのは、なぜ自然人とは別個に法人を認めるのかという話にまで溯る話ですから(笑い)。
反町
ぜひ、年内に法案を国会に上程できるよう、働きかけてください。
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吉野
法務省との協議いかんですが、そういうご意見があったことは伝えます(笑い)。
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