↑What's New ←目次 ←討論表紙
0 1 2 3 4 5 6 7 8 vol.4

Top Interview
省庁再編は数合わせか?


反町
一般に、中央省庁関連法について、官僚の権限を抜本的に縮小したわけではないから、むしろ官庁が巨大になるだけ弊害も大きくなるのではないかという意見もありますが。
    水野
    私はこの法律の成立はゴールではなく、あくまで機構改革の第一歩ととらえています。今後、見極めなければならないこと、さらなる改革のために努力すべきことはたくさんあります。ご指摘のような批判があることは承知しています。巨大官庁ができてしまうのではないか? 省庁の数を減らすだけの数合わせにすぎないのではないか? そのような批判を受けないよう気をつけなければならないと思いますが、それらは必ずしも当を得たものではないと思います。
     数合わせという批判にお答えすれば、省庁の数を21から12にするだけではなく、局の数も128から96まで減らすわけです。課の数も約1,200から1,000くらいまでにします。
反町
国家公務員の数も減少するということでしょうか?
    水野
    公務員の数は25%削減と謳っています。ただし、私はこれには数字のトリックがあると思っています。国の行政機関から独立行政法人に移行する人の数を国家公務員の削減数にカウントしますから、国立大学を独立行政法人にして、それを含ませれば、25%という目標は比較的簡単に達成できるわけです。それにしても、たんなる数合わせという批判は当たっていないと思います。
反町
局や課をそれだけ削減できれば、統一的な意思決定、効率性、迅速性という面からみても、合併効果があるといえるでしょう。
    水野
    各省庁に大臣官房がありますが、合併によってそれだけでも減るわけです。
反町
巨大官庁ができるという批判についてはいかがでしょうか。
    水野
    その批判でつねに槍玉にあがるのが国土交通省です。建設省、運輸省、国土庁、北海道開発庁が合併して、ほとんどの公共事業を一手に引き受ける、約9兆円もの予算を握る巨大官庁が誕生してしまう。そういう批判が出ることは理解できますが、これまで交通網の整備などが運輸省と建設省とで二元的に実施したいた弊害が解消されるなどのメリットが期待できます。空港は運輸省ですが、アクセスする道路の管轄は建設省だから、せっかく空港を造っても、道路が統合的に整備されていないというような問題が解消されていくでしょう。
反町
予算についていえば、むしろまとめたほうがいいと。何事も運用次第ではありますが、組織論でいえば、たとい権限の縮小がないにしても合併によって省庁間のさまざまな摩擦も減少するわけですし、国民側から見て、プラスとなることが期待できると思います。

→Next

↑What's New ←目次 ←討論表紙
0 1 2 3 4 5 6 7 8 vol.4
Copyright 1999 株式会社東京リーガルマインド
(c)1999 LEC TOKYO LEGALMIND CO.,LTD.