↑What's New ←目次
0 1 2 3 4 5 6 7 vol.4

自己責任の時代の福祉


来春、介護保険がスタートしますが、成年後見法とともに、“福祉のサービス利用化”ということが言われています。今後、日本の福祉のあり方はどのように変わっていくと思われますか?
    池田
    「今までの日本の福祉は“お上の庇護”というような恩恵的な見方がどうしても色濃かったのではないでしょうか。福祉は自治体から配給してもらう措置制度であって、『できればお世話にはなりたくないものだ』という考えをお持ちの高齢者も多かったと思います。
       来年4月、介護保険法が施行されますが、それをきっかけとして、福祉が大きく変わろうとしています。
     今後、福祉は契約によるサービス利用になるわけです。利用者は自らサービスを選択して、自分の責任において、契約を交わすという行為になっていくわけです。
     重要なことは、サービス化にともなって、利用する側に責任が生じるということです。 介護保険で言えば、サービスを利用する権利主体となるためには、保険に加入して、保険料を払い、1割の費用を負担するという義務を果たさなければならないわけです。また福祉が契約化することで、成年後見で財産管理をしていくこととの整合性がとれるわけです」

福祉も今後、自己決定、自己責任の時代になっていくと?
    池田
    「今や金融機関も自分で見極めなければならないと言われる時代です。年金にしても、401Kのように、何事も個人がリスクを引き受けなければならない時代になっていく。では、日本でそのような発想が身についている人はどれだけいるでしょうか? いきなり、『自己決定、自己責任の時代だから、自分でリスクを負いなさい』と言われても、私たちの世代でさえ、そういう社会には育っていないわけです。まして、今の高齢者がどれだけ対応できるのか?  そのような時代の流れのシワ寄せは、必ず福祉分野にくるといます。それを想定したうえで、いかにして権利を保障していくかを考えることが重要だと思います」


→Next

↑What's New ←目次
0 1 2 3 4 5 6 7 vol.4
Copyright 1999 株式会社東京リーガルマインド
(c)1999 LEC TOKYO LEGALMIND CO.,LTD.