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国際機関への派遣 |
今後、日本が独自で法整備支援を展開していくことも必要だが、総合的、有機的な支援のためには、ほかの支援国や国際機関が実施している法整備支援との連携も重要になってくるのではないだろうか? 「それは、まだ実現していません。確かに、アジア開発銀行など、国際機関も法整備の支援を行っています。そして、日本はそのような活動に資金は出してはいるのですが、専門家は送り込んでいないというのが実情です。 |
アメリカなどからは多くの弁護士がアジア開発銀行や世界銀行などの国際機関に出ていますが、日本からは皆無に等しいということです。特に、裁判官や検察官といった政府機関における勤務経験のある法律家となりますと、今までゼロだと聞き及んでいます。ただ、将来的には、そういうところに、積極的に人を送り込んで緊密な協力関係を構築し、法整備支援を通じた国際貢献を果たしていきたいと考えています」 |
「従来の国際貢献では、日本という国は金だけ出して、人は出さない。顔が見えない国だというような批判を浴びてきました。そういう意味で、法整備支援は、まさに人が現地に行き、あるいは人を招いて、人と人とが接して行う支援です。これまでの日本の国際貢献に対する批判に応えることができる“顔の見える支援”ということでも、非常に有意義な事業であると思います」 法整備支援をさらに拡充していくためには、政府機関、民間の組織が一体となり、 |
国際機関とも緊密に連携しながら、整合性のある効率的な支援を実施することができる体制作りが不可欠と言えるだろう。法整備支援は法律家が国際貢献できる分野として期待できるが、事務所を経営をしていたりする民間の弁護士が、長期間、日本での仕事を棚上げにして、海外の国際機関に出ることは経済的にいって難しい。そのようなケースで、何かしらのサポートができるような体制を弁護士会などがつくることも必要と思われる。 |
年度 | 回数 | 名称 | 対象国(人員) | 期間 | テーマ | 備考 | |
平成 6年度 |
1 | 第1回ヴェトナム国法整備支援研修 | ヴェトナム(6) | H6.10.3〜10.7(1週間) | 日本における民事法の概要等 | 官房秘書課 | |
平成 7年度 |
1 | 第2回ヴェトナム国法整備支援研修 | ヴェトナム(10) | H7.10.16〜11.2(3週間) | 日本における国籍法等の概要 | 法総研 | |
2 | 第1回カンボディア司法支援研修 | カンボディア(6) | H8.2.27〜3.15(3週間) | 司法制度の概要 | 日弁連・最高裁・法務省 | ||
平成 8年度 |
1 | ヴェトナム国法整備支援研修(刑法) | ヴェトナム(5) | H8.8.19〜8.30(2週間) | 刑法、刑事訴訟法 | 法総研 | |
2 | 第3回ヴェトナム国法整備支援研修 | ヴェトナム(10) | H8.9.2〜9.20(3週間) | 商法、日本の裁判制度・法律家養成の概要 | ☆ | 法総研 | |
3 | 第2回カンボディア司法支援研修 | カンボディア(6) | H8.11.19〜12.12(3週間) | 日本の司法制度概要 | 日弁連・最高裁・法務省 | ||
4 | ロシア司法関係専門家招聘 | ロシア(4) | H9.1.21〜1.30(10日間) | 日本の司法制度 | 法総研 | ||
5 | 第1回国際民商事法多数国研修 | モンゴル(3)ミャンマー(3)ヴェトナム(3)日本人(7) | H9.2.17〜3.20(5週間) | 円滑な民商事取引のための法制度の研究(民事訴訟制度、法律関係者の養成) | ☆ | 法総研 | |
平成 9年度 |
1 | 第4回ヴェトナム国法整備支援研修 | ヴェトナム(8) | H.9.6.16〜7.4(3週間) | 戸籍・登記・供託 | ☆ | 法総研 |
2 | 第5回ヴェトナム国法整備支援研修 | ヴェトナム(12) | H9.10.13〜10.31(3週間) | 民事執行法・民事訴訟法 | ☆ | 法総研 | |
3 | 第3回カンボディア司法支援研修 | カンボディア(5) | H10.1.13〜2.6(3週間) | 日本の司法制度概要 | 日弁連・最高裁・法務省 | ||
4 | 第2回国際民商事法多数国研修 | カンボディア(1)中国(2)ラオス(2)モンゴル(2)ミャンマー(1)ヴェトナム(1)日本人(6) | H10.2.2〜3.6(5週間) | 円滑な民商事法取引のための法制度の研究(担保制度、裁判外の紛争処理システム) | ☆ | 法総研 | |
平成 10年度 |
1 | 第6回ヴェトナム国法整備支援研修 | ヴェトナム(9) | H10.6.15〜7.10(4週間) | 会社法(証券取引法を含む) | ☆ | 法総研 |
2 | 第7回ヴェトナム国法整備支援研修 | ヴェトナム(11) | H10.10.5〜10.30(4週間) | 知的財産権 | ☆ | 法総研 | |
3 | カンボディアカウンターパート研修 | カンボディア(2) | H10.8.24〜9.18(3週間) | 司法行政の在り方、裁判官・検察官の任用及び研修制度 | 日弁連・最高裁・法務省 | ||
4 | 第4回カンボディア司法支援研修 | カンボディア(15) | H11.1.12〜2.5(3週間) | 民法・民事訴訟法 | ☆ | 日弁連・最高裁・法務省 | |
5 | 第1回汚職防止掲示司法支援研修 | カンボディア(1)ヴェトナム(2)中国(1)ラオス(2)モンゴル(1)ラトヴィア(1)ザンビア(1)日本人(3) | H10.11.16〜12.11(4週間) | 汚職防止に関する法制度とその運用に関する研究 | 法総研 | ||
6 | 第3回国際民商事法多数国研修 | カンボディア(2)ヴェトナム(2)中国(2)ラオス(2)モンゴル(2)ミャンマー(2)日本人(6) | H11.2.1〜3.5(5週間) | 円滑な民商事取引のための法制度の研究[1]企業の経済活動に関する法制度の現状とその問題点[2]法律関係者の役割と法律関係者の養成に関する現状とその問題点 | ☆ | 法総研 | |
7 | インドネシア経済法研修 | インドネシア(20) | H10.10.2〜11.25(8週間) | 経済関係法 | 法総研、日本インドネシア科学技術 | ||
8 | 第1回ラオス法整備支援研修 | ラオス(17) | H11.2.19〜3.12(3週間) | 基本法・環境法・地方自治法 | 法総研 名古屋大学 | ||
平成 11年度 |
1 | 第8回ヴェトナム国法整備支援研修 | ヴェトナム(10) | H11.6.7〜7.2(4週間) | 刑事手続 | ☆ | 法総研 |
2 | 第9回ヴェトナム国法整備支援研修 | ヴェトナム(10) | H11.10.4〜10.29(4週間) | 民事手続 | ☆ | 法総研 | |
3 | ヴェトナム最高人民検察庁研修 | ヴェトナム(10) | H11.10.18〜11.5(3週間) | 刑事手続と検察官の役割 | 法総研 | ||
4 | カンボディアカウンターパート研修 | カンボディア(1) | H11.秋(時期・期間詳細未定) | 法務行政 | 日弁連・最高裁・法務省 | ||
5 | 第5回カンボディア司法支援研修 | カンボディア(人員未定) | H12.1.11〜1.26(2週間) | 日本の司法制度概要 | 日弁連・最高裁・法務省 | ||
6 | 第2回汚職防止刑事司法支援研修 | 外国人(12)日本人(3) | H11.11.15〜12.10(4週間) | 汚職防止に関する法制度とその運用に関する研究 | 法総研 | ||
7 | 第4回国際民商事法多数国研修 | 外国人(12)日本人(6) | H12.1.24〜2.25(4週間) | 円滑な民商事取引のための法制度の研究[1]不動産に関する所有権の比較研究[2]法人格を有する事業形態の比較検討 | ☆ | 法総研 | |
8 | 第2回ラオス法整備支援研修 | ラオス(10) | H11.11.8〜12.3(4週間) | テーマ未定 | 法総研 名古屋大学 | ||
9 | 第1回日韓パートナーシップ研修 | 韓国(5)日本(5) | H11.9.2〜9.8(7日間)H11.9.27〜10.1(5日間) | 不動産登記制度、不動産登記実務に関する諸問題 | ☆ | 法総研 |
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