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整合性のある効率的な支援体制 |
アジアに対する法整備支援の機運が盛り上がることは喜ばしいが、クリアすべき問題がある。 「各機関、NGOなどがバラバラに事業を展開していたのでは、整合性のある法整備支援事業ができません。相手国から見ても、『どういうわけか、日本からは、いろいろなところからいろいろな人が来てバラバラのことを言っている』ということになってしまいます(笑)。 事業を効率的に進めるためには、『あの機関では、このようなことをしている。この点はうちと協力できる』といった情報を把んでいることが重要です。法整備支援にかかわっている多くの機関と情報交換しながら、日本として効率的で、 |
整合性のある支援をしていきたいということで、徐々にではありますが、情報交換しながら、支援事業を展開しているところです。われわれとしては、そういう基本姿勢を持っているのですが、情報が不足しているのが現状であり、問題点でもあります。情報交換の場を設けていかなければならないと考えています。」 国内の各機関の協力に関することで現実に持ち上がっている問題の例としては、各国、あるいは日本の法律を英文に訳してとりまとめたり、あるいはテキストを作成して、それを支援事業を実施している各機関で利用し合うといった広がりのある情報交換、情報ソースを共有するということが、まだ十分にできていないことだという。 |
「なにしろ、わが国が本格的な法整備支援事業をスタートさせてから、まだ4〜5年という歴史しかありませんから、現時点の実情としては、それぞれの機関がまず事業を立ちあげて、どんなことが問題になるかが、ようやくわかってきて、それを何とかすべく、関係者で話し合っている。そのような段階です」 支援体制インフラ整備はまだこれから。そんな状況の中、朗報がある。国内に、新たな拠点が設けられる予定があることだ。 平成13年に完成予定の大阪法務総合庁舎の中に、法整備支援を専門に行う部署を設けることが検討されているのだ。 |
大阪という立地が選ばれたのは、言うまでもなく日本の経済活動の中心の一つであり、東京よりアジアに近いという地理的要因からくる親近感があり、さらに関西空港が完成して、アジアとの距離が縮まったこと。また関西の財界、学界、法曹界などのアジアに対する期待が高く、協力体制が強固であることもあげられるだろう。 この新しい拠点で、将来、各国の法律や運用状況に関する情報を調査、収集し、比較研究を行い、それを日本を含む各国に提供しようという計画がある。この拠点が誕生することによって、支援体制が整っていくことが期待されている。 |
年度 | 派遣先国名 | 期間 | テーマ | 派遣者 |
平成 7年度 |
ヴェトナム | 平成7年9月24日 〜同年10月1日 |
ヴェトナム法整備支援セミナー出席 | 山野教官 |
ヴェトナム | 平成7年11月12日 〜同月19日 |
ヴェトナム法整備支援セミナー出席 | 黒瀬教官ほか1名 | |
ヴェトナム | 平成7年12月10日 〜同月17日 |
ヴェトナム法整備支援セミナー出席 | 本江総務企画部長ほか1名 | |
ロシア ウズベキスタン |
平成7年10月1日 〜同月11日 |
ロシアおよびNIS諸国における市場経済移行支援のための法制度調査 | 幕田総務企画部付ほか2名 | |
平成 8年度 |
ヴェトナム | 平成9年1月15日 〜同月21日 |
ヴェトナム国法整備に関する計画打ち合わせ調査 | 西川総務企画部付 |
☆ラオス ヴェトナム |
平成9年3月5日 〜同月15日 |
ヴェトナム法整備支援研修のフォローアップ・要望調査、民商事法制度全般の調査・研究小木曽総務企画部長ほか1名 | ||
モンゴル | 平成9年3月11日 〜同月19日 |
平成8年度経済協力総合調査団 | 鳥本総務企画部付 | |
中国 | 平成9年3月24日 〜同年4月1日 |
民商事法の整備状況調査・研究・資料収集 | 野口総務企画部付ほか2名 | |
平成 9年度 |
フィリピン | 平成9年8月26日 〜同月31日 |
ローエイジア第15回マニラ大会出席 | 高部教官 |
☆中国 | 平成9年10月20日 〜同月25日 |
中日民商法セミナー出席 | 鶴田総務企画部長ほか1名 | |
ヴェトナム | 平成9年12月6日 〜同月12日 |
ヴェトナム国の商事法に関するセミナー出席 | 鳥本総務企画部付 | |
☆ヴェトナム | 平成10年1月5日 〜同月10日 |
重要政策中枢支援(法整備)にかかわる計画打ち合わせ調査 | 野口総務企画部付ほか1名 | |
☆ミャンマー | 平成10年3月9日 〜同月14日 |
国際民商事研修のための関係期間訪問および法律資料収集 | 石田教官ほか1名 | |
☆シンガポール オーストラリア |
平成10年3月11日 〜同月18日 |
現地の経済社会情勢の調査・その他関係資料(出版物等)の収集 | 野口総務企画部付ほか1名 | |
ラオス | 平成10年3月15日 〜同月22日 |
経済・法律その他の現状の総合的調査 | 鳥本総務企画部付 | |
平成 10年度 |
ヴェトナム | 平成10年4月24日 〜同月30日 |
経済犯罪に関する講義およびセミナー出席 | 野口総務企画部付 |
アメリカ | 平成10年10月31日 〜11月12日 |
今後の法整備支援活動等の在り方を検討するための関係期間訪問および資料収集 | 野口総務企画部付ほか1名 | |
ラオス | 平成10年12月2日 〜同月16日 |
法整備に関する現況調査および関係機関訪問並びに講義 | 野口総務企画部付 | |
☆ヴェトナム | 平成11年1月4日 〜同月14日 |
法整備に関する現況調査および関係機関訪問 | 寺脇副部長ほか1名 | |
☆カンボディア |
平成11年2月28日 〜3月7日 |
「法整備」実施協議調査団 | 賢金研修第三部長 | |
☆韓国 | 平成11年3月10日 〜15日 |
日韓パートナーシップ研修にかかわる計画打ち合わせ調査 | 栃木総務企画部長ほか1名 | |
☆ヴェトナム | 平成11年3月24日 〜同月31日 |
経済犯罪に関するセミナー出席 | 榊原総務企画部付ほか1名 |
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