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政策評価は道具でしかない

−政策評価にそれだけ技術的な困難さがあるとすれば、評価の結果 はどのように利用すべきなのでしょうか?
「申し上げたいのは、政策評価とはまさに道具でしかないということです。重要なことはその道具をどのように使うかという視点ではないでしょうか。
 まず施策の意図などを理論的に明確にすることで、政策の質を高めていくという意味があります。評価によって、どういう点に問題があり、どうすれば改良していけるかを実践に発見することができるわけです。
 かつ自分たちの行っていることを外部の方にお見せする道具としても使いたいと思います。そのため、われわれは評価の結果 をオープンにして、それをもとにして政策に関する論争の必要があるなら、それにも正面 から取り組みたいと思っています」

−とくに産業政策を評価する意義はどのようなことでしょうか?
「公共事業や法令の遵守といった施策に比べると、産業政策は、成果がよりコントロールしにくい


ところがあります。研究開発を支援する政策を例にとれば分かりやすいと思いますが、成果 がどうなるかは、行政がコントロールできない部分の影響が大きいわけです。ですから、なおさら事前の段階で、施策を決める上での論理構成、因果 律の検討が重要になりますし、さらにそれが現実に、期待したように機能したかについて検証を行うことが重要といえます。その意味で、難しい政策分野における立案についての組織学習的な効果 があると期待しています。  通産省としては、評価をした結果、わが省の施策には何も問題はありませ んという証拠作りに政策評価を使うつもりはありません。政策評価を導入して、行政批判を避けようといった意識ではなく、真摯に政策の質を高めたいということから、評価の仕組みを考えていることをご理解いただきたいと思います」

−政策立案者の責任の所在がはっきりするということもありますね。
「事前評価書を作成したとき、立案責任者の氏名をつけることにしています。より明確に責任の所在を明確にすることは念頭に置いています」



 
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