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マスコミにとりあげてもらうメリット

--通学区域の自由化でも、品川区は全国的に有名になりました。
「通学区域の自由化の問題は正直言いまして、賛否両論があります。しかし、教育の問題についてこれだけ熱心にプロも父兄も関心をもったことはないのではないでしょうか。行政は新しいことをやらないと、関心をもっていただけないわけです。一石を投じて、通学に関する議論を起こしただけでも、私は価値があったと思います。
 ただし、自由化すればいいということではなく、自由化によって、問題が生じてきたときに、それをひとつずつ片付けてい
く、処理していく。そのような作業がなければ、せっかくの新しいアイディアも活かすことができません。クスリに例えれば、良いクリスほど、副作用が大きいわけです。これから副作用を減らして、クスリの効果を高める作業をしていかなければならないと思います」
--意識して新しい施策を打ち出されるようにしているのですか?
「よく『品川区長は新しいもの好きで、何でも一番が好きだ』と言われます。私は何も一番が好きということではないのですが(笑い)、私たちがつねに新しいことをやろうとしていることは事実です。


 ひとつには、自治体として最初の施策であれば、マスコミに取り上げてもらえるメリットがあるのです。『23区で初めの試み』と報道されると、区の宣伝という意味で大きな価値があります。新聞記事のスペースを広告料に換算すれば、大変な利益を生み出していることになるのです。私は記事として取り上げられるような意味のある仕事をするように努力することが自治体としてひとつの責任ではないかとさえ思っています」
--区の独自の施策が評価されれば、住民が増え、税収が上がるという好循環になりますね(笑い)。
「税金で住宅を作って、待っているだけではいつまで経っても住民は増えません。区外の人に入ってきてもらわなければなりません。中には区の税金で造った住宅に区外からの人を入れてどうするのだというご批判があるかもしれませんが(笑い)。
 私が区長会でも時々発言していることですが、23区の区長が共同して仕事をすることも必要ですが、同時に、23区それぞれが自治体としての権能をもつわけだから、競い合う面もなければならないのではないでしょうか。今回、都から独立して事業を行うわけで、区が独自の施


策を考え、互いに切磋琢磨して、結果としてそれぞれが進歩すればいいと思います。とくにこれからの地方分権の時代には、そのような姿勢に欠ける自治体は住民に受け入れていただけなくなるのではないかと思います」

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