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特集2 司法制度改革3
あらゆる形で市民につながった司法

--ドイツでの撮影はどのように行われたのですか?
「1997年に視察のためにドイツを訪れました。私の親友が現地の大学で日本語を教えていまして、その教え子で、日本の大学の法学部を出た若いドイツ人を通訳として紹介してもらいました。彼とミュンヘンから始めて、ドイツ各地の司法を見てまわりました。
 お会いしたドイツの裁判所の方々はみなさん非常に気さくで、『こういう話を聞きたい』とお願いすると、すぐに、こちらの希望に適した方を紹介していただき、短期間に色々な方にお会いすることができ
ました。裁判所の中も自由に案内してもらえましたね」
--ドイツと日本の司法の違いはどのような点にあるのでしょうか?
「まず行政と立法に対するチェック機能です。ドイツでは、裁判官が積極的に政治的な意見を表明しています。たとえば、重要な法案が提出されると、ドイツには裁判官の組合がいくつかあって、それぞれが意見を新聞に出すのですが、日本ではそういうことがありません。ドイツでは違憲判決も数多く出されています。連邦憲法裁判所に提訴される数は年間1000件に達するとのことです。それ


に対して、日本の最高裁判所は、この事件は司法判断すべき問題ではないと、むしろ、合憲か違憲かの判断を避けることが多いように見えます。法学教育も大きく異なります。ドイツでは、高校で法学の授業がありますし、中学くらいから法廷に見学へ行ったりするのです。そのようなとき、裁判官などがボランティアで出向いて、法律とはこういうものと教えるわけです。日本では、教科書に『国民は国民審査を通して司法に参加しています』などと書いてあるだけでしょう(笑い)。
 さらに参審制をとるドイツには市民の
諸階層から選出する名誉職裁判官の制度があり、これは国民の義務とされています。
 さらにドイツの裁判所では、判決の基本は一般社会常識とされていると聞きましたが、日本では、前例が基本となっているのではないでしょうか。
 つまり、ドイツではあらゆる形で市民と司法がつながっていますが、日本では反対に、あらゆる形で市民と司法が切れてしまっているのです」

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