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Top Interview
必要な施策をひとつずつ着実に


反町
その他、法務省所管の法案として、入管関係の課題もありますね。
    臼井
    はい。不法入国者に対する処罰という性質がある反面、人権の保護という側面もある、大変幅広い内容のものです。
反町
将来の日本の人口構成であるとか、昨今の外国人犯罪のこともありますでしょう。政策上、難しい問題だと思います。これはどちらかというと、受け入れる方向で検討されるわけですか?
    臼井
    ご承知の通り、これはたんに法務省ということだけではなく、まさに日本政府として、これから日本の経済を担っていく人をどう考えるかということであり、あるいは民族という観点からとらえることもできる問題でもあります。いろいろ検討しなくてはならないと思いますが、私たちとしては、何か技術をもって日本に来られる方、正式なルートで日本に来られる方にとって、日本が住みやすい国であるとご理解いだけるよう、さらに努力してまいりたいと思っています。
反町
いずれにしても、大学教授など高度な知識を有する方も含め、外国籍の方が日本に入ってきて活躍できるようにすることは、ひとつの流れかと思います。
 経済関係で検討されている重要法案としては、企業分割法がありますね。
    臼井
    現下の厳しい環境において、日本経済をしっかりと発展させ、景気回復を実現していくためには、企業のみなさんにがんばっていただかなければならないということで、企業分割法に関しても、今回、税調で税制法上の措置をすると、将来に向けてお決めいただきましたので、これを受けてしっかり法律を作っていきたいと思います。
反町
企業分割法は次の通常国会に提出されるわけですか?
    臼井
    出すつもりでおります。
反町
産業界はその早期の成立、施行を待ち望んでいると思います。
    臼井
    そのご要望は重視しなければならないと思っています。それぞれの分野において、今、国民が必要とされていることを、ひとつひとつ着実に解決していくことが大切だと思っております。
     また、21世紀を間近に控え、社会も大きく変わっています。その中でもとくに国際化ということは、大変大きなインパクトを国民に与えているわけです。そうした大きな流れを見失わないようにしてやっていく必要があると思います。
反町
蛇足ながら、最後にお願いがあります。商法の条文は片仮名書きで、枝番号が複雑で分かりにくい。これを現代仮名づかいにして、整理整頓していただけないでしょうか(笑い)。
    臼井
    私も大臣に就任して早々、そうすべきではないかと言いました。一部を修正するときも、前後の表記と合わせるため、昔ながらの片仮名で入れ込んでしまうわけです。
反町
 改正法もすべて片仮名ですからね。いつまで経っても直らない。
    臼井
    改正した条文は現代仮名づかいにすれば、あちこちにそれが混ざり、これではおかしいと、全面改訂のインセンティブを与えられるかもしれません(笑い)
反町
文章の縦書きと横書きのこともありますでしょう。家裁などでは判決文は横書きになりましたが、とくに民事の裁判などは数字が多く入り、縦書きでは間違えやすいわけです。条文も横書きにしてもよろしいのではないでしょうか。司法試験の答案も同じでしょう。国民からすれば、親しみやすくなるものと思います。  
 本日はご多忙のところ、ありがとうございました。




法務大臣 臼井日出男氏

  • 昭和14年1月3日千葉市生まれ。
  • 中央大学法学部卒。
  • 議員秘書、千葉青年会理事長を経て、昭和55年の総選挙に初当選。
  • 第1次橋本内閣で防衛庁長官


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