反町
法務省は司法試験の他、司法書士の試験も所管されています。司法書士は全国3300の地方公共団体のうち、その約65%で仕事をされています。一方、弁護士は約500の地方公共団体ですから、司法書士は実に弁護士の約4倍の市町村で活動しているわけです。全国津々浦々に司法サービスを及ぼすということでいえば、現在、弁護士の独占業務とされている職域の一部を、より地域に密着した司法書士に開放していく必要があるのではないでしょうか。例えば、簡易裁判所における代理権を認めるべきだと考えます。国民から見た場合、身近な司法の実現ということになります。また、司法書士が行っている登記の仕事は実体上の登記事項を判断しませんと、できないわけです。その前提として法律相談をしようとしても、問題があります。弁護士法第72条の規定により、形式上、司法書士は業としての法律相談ができないことになっているわけです。これなどは弁護士法を改正するまでもなく、条文上の合理的な縮小解釈ということで解決可能でしょうから、弁護士会なりとご相談の上、ご指導いただけたらと思います。
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臼井
まず、登記あるいは供託に関する手続きの代理の業務につきましては、司法書士法で業務として明記されていることから問題ないと解釈しています。
訴訟代理権の問題につきましては、ひとつは国民のみなさんが利用しやすい司法制度の在り方を考えますと、非常に重要な問題提起だと思います。この問題に関しては、これから司法制度改革審議会においても、ご審議いただけると思いますが、その状況を注視し、、重要な問題であるとの認識に立って注意深く見守っていきたいと思います。
反町
司法書士について付言いたしますと、今回、成立した成年後見法において、重要な制度の担い手になることが期待されます。また日本司法書士会連合会の尽力により、成年後見センター・リーガルサポートもできました。司法サービスの拡充ということにおいて、さらなる役割を果たすことができる可能性を有する士業であり、法務省としても、さまざまな面で司法書士に積極的にご支援いただきたいと思っております。
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臼井
先般も司法改革小委員会で、規制緩和の問題に関して弁護士の業際の問題が提起されまして、重要なご指摘と受け止めております。司法制度改革審議会でご審議が始まりますので、司法全体からみて、どのような形で仕事をしていただくのが国民にとってプラスなのか。そういう観点を中心にしながら、私たちとしても、しっかりバックアップしていきたいと思います。
反町
総務庁に置かれた政府の行政改革推進本部は、規制緩和3か年計画の中で司法書士に簡易裁判所における代理権を認めるべきかとの論点を公開しています。また司法制度改革審議会も同じ論点を出されていますが、審議会の結論が出るまで、待つことになるのでしょうか?
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臼井
すでに規制緩和委員会のほうでは一歩早く方向性を出しつつあります。これについては、審議会の佐藤会長を中心にご協議いただいています。ひとつずつ答えが出ているわけで、私たちとしては、それぞれ重大に受け止めながら、なおかつ司法は司法としての立場で、司法全体としてどうあるべきか考えていくことが大切だと思います。
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