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Top Interview
司法試験合格者数を増やすために


反町
昨年の司法試験の合格者は1000人に増員されました。以前、1500人を目途にするという合意が交わされたこともございます。今後、これを1200人、1500人と順次増やしていかれるのでしょうか?
    臼井
    国民が法律を身近に活用できる環境を整えることを考えますと、法曹人口の拡大はどうしても欠かせない問題です。したがいまして、従来700 人であった司法試験の合格者数を1000人にしたわけです。
     この先のさらなる増員ということに関して申し上げれば、量を拡大するとき、質ということを切り離して考えるわけにはいきません。今回、合格者を1000人に増やしたわけですが、その結果もよく踏まえたうえで、再考していく必要があろうかと思います。法曹人口を増やすとき、私たちとしては、質をどうやって堅持していくかを考える必要があります。質とは、もちろん法的知識も含みますが、人格もきわめて重要な要素と考えます。
     かつて私の先輩で、司法試験に何回も落ちてやっと合格したという名物先輩がおりましたが、実際にお会いすると、その方の醸し出す人間性というのは非常にすばらしかったわけです。こういう方なら、もっと早く合格すれば、もっと多くの人が救われたのではないかと強く感じたものです。そのようなことを思うにつけても、弁護士に必要なのはたんに知識だけではないと思います。
反町
その方も合格者の枠が増えていれば、より早く合格されたでしょう(笑い)。
    臼井
    そうかもしれませんね(笑い)。
反町
これまで司法試験の合格者数が極端に少なかったことが、そのような方がなかなか合格できない理由ではないでしょうか。またその職業に欠くべからざる人間性・倫理性と申しますのは、実際の仕事を通じてこそ鍛えられるわけで、参入のところで絞ってしまうのではないほうがよろしいのではないかと思います。私としては合格者を増やすことが、おっしゃるような、人格を含めた質の高い方を法曹界に増やすことにつながると思います。質、ということで申しますと、昨今、法科大学院、いわゆるロースクール構想が注目されております。これについての大臣のご意見はいかがでしょうか?
    臼井
    より質の高い法曹を確保していくことを考えるならば、いわゆるロースクールでの養成という方法を考慮することも大変に重要なことだと思っております。これについては文部省とも連携をとりながら、前向きに進めていきたいと思っています。
反町
ロースクールの教える内容としては、文部省の所管ということになるのでしょうか?
    臼井
    そうです。
反町
司法試験は従来通り法務省の所管ですか?
    臼井
    資格そのものについては法務省ですね。
反町
ご指摘のように弁護士は人格が重きをもつ職業です。そういう意味では、法科大学院が国の将来の理念に立って、法曹を育てることは必要だと思います。
    臼井
    すでに、いくつもの大学で法曹養成のためのシンポジウムなどが開催され、ロースクール構想に向けた研究されていますが、どんどん積極的に取り組んでいただきたいと思います。

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