司法試験の受験資格はどのような形で付与されますか? |
チャールズ
「アメリカには50州及びワシントンDCで、51の自治体があり、そのひとつずつが法曹資格を授けることができるわけです。しかもその授け方は、歴史的な背景もありまして、多様です。均一なシステムによって、ロイヤーを養成する、あるいはその資格を認めるというシステムがまだアメリカにはできていません。いくつかの州の間ではそれをまとめていこうという動きもあるのですが、まだ国家レベルでは、ロイヤーの養成、資格の認定の統一ができていないわけです。
古い話をいえば、アメリカが国として成立したばかりの頃は、偉い弁護士について徒弟となり、仕事をして、年月を積むことでロイヤーになっていました。少し時代が下ると、年月を積むことで司法試験を受ける資格が得られるようになりました。そのような時代を経てきました。
法学以外の学部教育を経ただけで、司法試験を受けられる州がかつてはあったかもしれませんし、今でも州によってはそのような制度があるかもしれません。もしかすると51の自治体の中には、徒弟制度からロイヤーになれるチャンネルが残っている自治体が残っているかもしれませんね(笑い)。
「ジョージタウン大学の法学部はアメリカの大学の中でもとりわけ規模が大きいことで有名ですが、ただし、法学部の規模が大きいことはあまり自慢にはなりません。アメリカでは、あまりにも多くの弁護士が批判の対象になっていますから(笑い)。ただ、私たちの立場から言いますと、確かにアメリカにロイヤーの数は多いが、本当に良いロイヤーの数は決して多すぎることはないと思っています。
法曹家になる過程に関しては付言させていただきます。
法学教育は7年間、行われるわけです。4年間の学部教育と3年間のロースクールです。それが終われば、D.J.(Doctor Juris=Doctor of Law)というタイトルを取得できますが、それでもまだ司法試験は受験しません。その後、受験学校に通うのです。そこで、司法試験にパスするための特殊な勉強に入ります。それを通常6週間行います。それが終わってはじめて司法試験を受けるわけです」
チャールズ
「そうです。義務ではありません。自らの意欲で、試験に自信をもつために希望して取るものです」
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