現在のアメリカにおける法曹養成のための教育内容は具体的にはどのようなものでしょうか? |
チャールズ
「ジョージタウン大学の法学部は年間600人の新入生を受け入れます。一部、外国人もいますが、ほとんどの学生はすでに大学卒業の資格をもっています。専攻は多様で、自然科学も人文化学、中には医師の資格をもっている人も入ってきます。何らかの分野ですでに4年間の研鑽を積んできた人がほとんどです。すでに専門的に磨かれた学生たちが私たちのロースクールの門をくぐってくるわけです。
われわれは、そういう人に対して、入った時点で、将来の方向づけするという立場をとっていません。例えば学生の中で、商学部で商法や経営学をやってきたという人は、これからのロイヤーとしての勉強でどこかに集中するかとなれば、民法や商法とすることが多いかもしれませんし、政治家を志向してそれまで政治学や国際関係をやってきた人の中には選択科目として国際法などを取る人も出るでしょう。
学生の主体性を重んじた教育を行うということですね。 |
チャールズ
「3年間のロースクールのうち、最初の1年は必須科目を取ることになります。それが終わると、学生たちは自分が将来、法律家としてどんな分野に入っていきたいかということを考えて、コースを選択します。その研鑽のためには非常に多様なコースを用意しているのです。ジョージタウン大学のロースクールでいえば、何百いうコースがあります。学生はその中から、自分に向く分野を決めていくのです。訴訟弁護士となり、法廷で華々しい活躍をしたいのか、あるいは商法・民法の専門家となるのか、それとも国際法か。私は国際法の担当ですが、国際法でけで、約100のコースがあります。中には、国際公法を専門にする人がいるかと思えば、地域的な法律として日本法や中国法、韓国法、ラテンアメリカの法律の専攻する人もいます。アメリカのロースクールの講義はそれほど細分化し、多様化しているのです」
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