出した積算内訳書といった書類の公表が迫られていますが、それらは効率的な行政を進めるうえで重要なことになっているのです。企業としては、そのような状況をよく承知した上で、入札や随意契約に応じる必要があると思います」
−法律家としてはどのように役割を果たすべきでしょうか?
「今や市民がどんどんレベルアップしている時代です。情報公開をめぐる裁判などでは、市民が弁護士顔負けの訴訟手続きをしているケースが全国で見られるようになっています。法律家には市民よりさらにレベルの高い役割が要求されるわけです。法律家としては、情報公開や行政監視などの問題をきちんとフォローしておいて、それに関する相談がきたら、的確に応じられるだけ
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の事前の調査であるとか、準備を進めておく必要があります。
もう一点、監査委員制度(注2)において、問題点として指摘されたようなことが無いようにすることです。これまでは行政サイドから行政評価に係る個別の監査などを依頼され、委員に選任されるようなことになると、多くの専門家たちは、自治体の首長などに対して厳しいことを言えず、なあなあの関係になってしまうようなことがあったと思います。そうではなく、高度の専門性や倫理性を要求される法律家として、行政を厳しくチェックしていくことです。市民は自分たちでできない部分について、監査委員などになってチェックしてくれるプロフェッショナルを求めている。そういう自覚が求められます」
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