ITパスポート試験の難易度ランキング!他資格と比較
2025.2.21

本コラムは、ITパスポート試験の難易度について関連する他資格と比較しながら紹介します。コロナ禍で加速したデジタル化、DXの推進、という波に飲みこまれないよう、Society5.0時代に必須となるITリテラシーの基礎を学びましょう。
- 目次
ITパスポート試験の受験者層
ITパスポート試験は様々な職種・年代で幅広く受験されていますが、中でも非IT系、20代の社会人が多く受験している傾向があります。
就活中の学生にとっては、履歴書の「免許・資格」欄に書くことができます。
全くの初心者からIT業界を目指す就活生や転職希望の社会人にとっては、「何をやってよいか分からない」のが普通です。その際、まず挑戦すべき最初の試験としてお勧めするのがITパスポート試験です。
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出所: IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「情報処理技術者試験 統計資料」
ITパスポート試験の国家資格難易度レベル
ITパスポートは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によって行われている国家試験「情報処理技術者試験」の区分の一つです。様々な区分それぞれに対象者像が設定されており、ITパスポートは基本的なコンピュータの知識や情報処理技術に関する能力を測るための試験で、一般的に、IT業界への就職を目指す方や、基本的なIT知識を身につけたい方が受験します。
エンジニアを目指す人にとっては、ITパスポートは少し物足りないかもしれません。
情報処理技術者試験の中でも、すべての社会人を対象とした資格であることを押さえておくと良いでしょう。
レベル | 資格 | 対象 |
---|---|---|
1 | ITパスポート | 全ての社会人 |
情報セキュリティマネジメント | ITの安全な利用面を推進する者 | |
2 | 基本情報 | 情報処理技術者(エンジニア) |
3 | 応用情報 | |
4 | 各種高度資格 |

出典:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
ITパスポートとMOS試験の違いは?
MOSはマイクロソフト・オフィス・スペシャリストの略称で、WordやExcel、PowerPointを使いこなすことができる能力を証明するものです。
事務職として働く上では、MOS取得が推奨されますが、営業職ではプレゼン資料を作ったり、グラフを作ったり、という程度で、そこまで高度なスキルは求められません。
経理・人事などの管理部門、マーケティングで日常的にデータ分析を行う部署ではExcelを使いこなさないと日常業務が回らないので、MOS取得が推奨されます。
全ての社会人にとって必要なIT知識・リテラシーを身につけるのがITパスポート試験ですので、ITパスポートの方が対象が広いです。
ITパスポート試験と情報セキュリティマネジメント試験の違いは?
情報セキュリティマネジメント試験とITパスポート試験は、IT技術者・エンジニアを目指す人ではなく、企業内でITシステムを利用するユーザーを幅広く対象としている点が共通しています。もっとも、情報セキュリティマネジメント試験はITの安全な利用を推進する立場(主として、企業内の情報セキュリティ担当者)に求められる知識・スキルを試すものなので、ITパスポートよりも情報の保護・漏えい防止に関する専門的・実務的な知識が出題されます。
課長や部長など部下を管理する立場は、社内の機密情報に触れる機会が多くなり、自身はもちろん部下が情報漏えいしないよう注意していく役割も担うので、情報セキュリティマネジメント試験を受けるよう会社側に推奨されることがあります。情報セキュリティマネジメント試験は、社内でキャリアアップをしていく際に取得しておくと有利な試験といえます。
他の資格と難易度を比較
ITパスポートは情報処理試験の中ではもっとも対象者が広く、基礎となる資格です。
以下は、関連する他資格との比較図です。
資格の難易度を合格率と目安勉強時間で表すとこのようになります。

※資格ソムリエ 林 雄次先生 監修
目指せIT人材!IT情報系資格一覧
ITパスポート資格の需要と活かし方
現代社会では、ITがあらゆる産業や業界に浸透しており、企業や組織がITを活用することが不可欠となっています。ITパスポート試験は、このような基本的なIT知識を測るための試験であり、事務系・技術系、文系・理系を問わず、企業の戦力として求められるスキルが証明できる資格です。さらに、情報セキュリティの重要性が高まっていることも背景にありITパスポート試験が注目されています。
事務職・営業職は日々の業務で情報システムを使う際、より効率的に活用できるようになります。その他の職種、例えば、一見するとITとは縁遠い肉体労働であっても、ITから逃れることはできません。最近では、工場や建築の現場にもデジタル技術が導入されています。また、顧客や取引先の重要な情報を外部に漏えいしたりすることがないよう、セキュリティ意識を高める上でもITパスポート試験で問われる知識は大事です。
ITパスポート資格の魅力
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試験合格に必要な勉強時間と効果的な勉強法
学校で情報系の科目を履修していた人であれば、60~100時間程度の勉強でも十分に合格ラインに達することができます。大学生やIT知識が全くない人の場合には約180時間の勉強時間が必要、と言われています。180時間の場合、週に10時間の勉強(平日に1日1時間、週末に5時間)で4ヶ月かかり、週に15時間勉強できれば3ヶ月かかる計算となります。
様々な予備校で、通学講座・通信講座が提供されていますが、全くの初心者でも独学で勉強している人が多いのが実際です。
効果的な勉強法として、過去問はマストです。
既に基礎ができている方であれば、過去問を繰り返し解くだけでも合格は可能です。
ただし実務で活かすには、過去問だけでは不十分。
合格したあとのことも考えるのであれば、参考書、YouTube、動画教材いずれかの学習法を組み合わせるとよいでしょう。
ITパスポート試験の難易度はそこまで高くないが、短期間で合格を目指すなら「通信講座」を利用しよう!
LECのITパスポート講座は、資格試験指導暦45年ならではのノウハウで、初心者でもわかりやすい講義形式で出題ポイントを重点的にわかりやすく解説します。
また、「いつでも、どこでも」、自分のペースで隙間時間を活用して効率的に学習を進めることができます。
効率的にITパスポート試験合格を目指す人は講座受講をご検討ください。
まとめ
現代社会ではどのような企業や組織でもITの利活用が不可欠となってきました。ITパスポート試験はIT系の資格の中でも対象が幅広く、IT業界への就職を目指す方や、基本的なIT知識を身につけたい方におすすめです。また、顧客や取引先の重要な情報を外部に漏えいしたりすることがないよう、セキュリティ意識を高める上でもITパスポート試験で問われる知識は大事です。これからの時代に対応するために、まずはITパスポートの取得を通して、全社会人に求められるITリテラシーの基礎を身につけましょう。
監修者情報
反町 雄彦(そりまち かつひこ)
株式会社東京リーガルマインド 代表取締役社長/弁護士