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特集1
まず入り口を広くすべき


--昨年、政府の規制改革委員会が「第2次見解」を発表しました。資格者の相互乗り入れということが言われ始めています。規制緩和の流れは、今後の税理士の仕事にどのような影響を与えると思われますか?
「士業の業務について規制緩和が進んでいくとこは間違いありません。結論を申し上げれば、私は2年後にはほとんどフリーになると思っています。自ずから税理士の在り方は変わり、税理士法も改正を余儀なくされる状況になるはずです。それは当然のことです。諸外国の状
況を見ても、日本の士業ほど法律に守られながら育ってきたコンサルタントはいないのです。
 逆にいえば、そのことによって、日本の士業もようやく世界の先進国のコンサルタントたちに肩を並べられる条件が整うということです。
 そのような時代に適応するためには、自らドラスチックに変わらなければなりません。 残念なのは税理士自身、その認識に欠けていることです。あるいは朧気には感じてはいるが、深く考えることを避けているのか、正面切って向かい合って


いないように見えます」
--それを解決するためには、どのような制度改革が必要でしょうか?
「まず資格試験を改革すべきです。私は以前から税理士会でも発言していますが、資格試験をもっと簡単なものにすることです。つまり、入り口を狭めるのではなく、逆に広くして人数を増やし、自由競争を取り入れることで、資格者になってから自己研鑽を続けることを課すことです。諸外国はどこもそういう方法をとっています。
 また資格の更新制度を導入すべきです。1度試験に合格すれば一生よしとするのではなく、士業であれば、数年に1度は資格更新をするべきです。自動車ですら3年に1度車検があるのですから。公認会計士はすでにそれに向けた準備を始めていますし、司法書士もその方向に向かっています。当然、税理士もそうあってしかるべきです」
--今後、税理士の在り方は大きく変わっていく。それに対する意識変革が求められているということですね。


「私はコンサルティング業務に力を入れない限り、今後、税理士は生き残っていくことが難しいとさえ思います。コンサルティング業務をこなしながら、税務については絶対に他からの浸食を許さない。そのような強力な組織を作っていくことが必要です。これまでは、税務業務だけに頼って、前提になるべきコンサルティングに目が向いていませんでした。クライアントの立場から考えますと、満足できる仕事をしてもらえるのであれば、日本人であろうが、外国人であろうが、極端にいえば、資格があろうがなかろうがかまわないわけです。ところが、税理士の 多くは、いまだに従来の税理士像に縛られているのではないでしょうか。それに囚われない人は公認会計士やEA(Enrolled Agent=米国税理士)に進んでいるのが現状だと思います。現実に、すでに日本でEAの資格を取得された方が1000人を超えています。これが何年かすれば2000人、3000人になります。そうなれば、ひとつの勢力として十分通用します。そうなったとき、クライアントは今のままの税理士とどちらを選ぶか。税理士制度が現状のままで良いのかどうか、そのことをもっと真剣に考えるべきです」


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