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Top Interview
5 弁護士の仕事、生活水準


 中国の弁護士は何といっても歴史が浅く、また法学教育の未発達もあって、仕事のレベルは必ずしも高いとはいえません。上記のような弁護士供給方法に照らしても、また弁護士全体の数の増大という政策目標に向かって急拡張してきたことからも、弁護士全体の仕事の水準、プロフェッショナリズムに対する意識等のボトム・アップを図ることが容易でないことは想像に難くないでしょう。しかし、改革開放政策に伴う外国企業の対中進出は待ったなしで中国の弁護士に対して高い水準のサービスを要求し、それが好循 環となって、北京、上海といった大都市の、語学ができる一部のビジネス・ロイヤーを中心に業務レベルは急激な向上を見せています。いわば、彼らは欧米企業や日本企業にお金を稼がせてもらいながら勉強しているようなもので、これは日本の渉外弁護士の草分け的な諸先輩の若かりし頃と酷似しているのではないか等と思わずにはいられません。こうした新興エリートロイヤー達は小生と同じ30代前半であったりするのですが、既に大パートナー然としている者もおり、ゆくゆくは小生の所属する事務所の高齢パ


ートナー達のように若者から羨まれるような地位と経済力を築いていくのではないか等と、(もはや日本の渉外弁護士としては後発となって半ばやむなく大陸浪人をしている小生などは)既に羨望のまなざしで見ている次第です。
  こういったヤンエグ系の弁護士を中心に弁護士の所得水準は総じて高いといえますが、ここでは超資本主義的な格差があることも事実です。第一に、高給取りの弁護士は都市部に集中しており、地方との格差は巨大です。第二に、都市部の大規模事務所の中では一部のスター
的なパートナーとアソシエート弁護士の所得格差は巨大であり、3、4桁の違いがあっても不思議ではありません。頑張った者が報われる社会、それが市場経済下の中国であり、他方1億総中流といわれる被保護社会の日本は好対照をなしているといえますが、弁護士業界でもこのコントラストは活きています。どちらがいいかは非常に判断が分かれるところではないでしょうか。

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