東京では、特定の分野でプロフェッショナルを目指す行政書士が多いのですが、田島先生の方法は違いますよね。分野が一件一件が異なるとなれば、大変ではないですか?
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田島
それは確かにありますが、地方で開業する行政書士は、この分野の専門家でいくと路線を打ち出したところで、そのニーズがあまり無かったりするわけです。大都会では、金の鉱脈を掘っていく技術がある方は金の鉱脈を追えばいいけれど、地方の場合、その鉱脈がすぐに尽きてしまう。となると、金は出なくなったが、銅は出る。ダイヤはないが、石油が出たから石油を売れると、ニーズの変化に合わせていく柔軟性を常時保っていかなければならない。それは大変なことですが、柔軟性を持って対応していくというのも、ある分野でスペシャリストになるのと同じように、一つのノウハウです。それを身につけてしまえば小回りもきくし、マーケットの中での一定のニッチも取れる。手堅いビジネスをつかむことになるのではないかという発想だったんです。
弁護士の絶対数が足りない地方では、司法書士も登記業務だけで手一杯といった事態にはならないわけですか?
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田島
長年、法律家不在の状態にあるところで、潜在的なリーガルニーズがどのように処理されているかというと、専門家がいなければ、自分たちで処理しようと独自のシステムができているわけです。建設業者であれば、組合であるとか、商工会議所あたりが紛争処理するシステムを作り上げている。そういうところにくい込んでいくのは、ほとんど不可能に近い状態です。不可能というと大げさですけれど、そのネットワークにくい込んでいくだけの時間、外交能力、これがないと正直言って難しい。そういうわけで、今何の需要が起きているのか、これからその需要は大きくなるのか萎むのか、これを見極める能力が地方ではものをいいます。
塩田先生は今、旅行代理業の関係のお仕事を中心にされているということですが、割合としてはどれくらいですか?
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塩田
5割以上ですね。私は公認会計士と組んでいる関係で、税理士との付き合いもありますし、公認会計士仲間からも仕事が来ます。公認会計士が持っているお客さん、建設業者ですとか、宅建業者ですとかに関する業務も入ってきます。また私の場合、東京という土地柄もあったり、事務所が入国管理局に近いということもあり、国際関係業務が増えています。
塩田
もちろん在留関係もありますし、帰化申請関係もあります。企業法務絡みでは、契約書の作成ですとか、海外に事務所を設置する仕事、逆に外国企業の日本での事務所の設置の仕事などが増えてきています。
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