「ロースクール構想は総論としては十分理解できる方策です。法曹の量と質、双方を満足させていくなら、単純な増員ではなく、法曹教育から考えなければいけない。とても、今のような法学部教育に任せておくわけにはいかない。だから法科大学院の制度を作る。これは分かる。問題は、間に合うかということです。司法改革だけでも大事業なのに、大学改革までセットにしなければならない。現実問題として、大学の教授会で、『では、来年度からうちの法学部を廃止します』という決定を下すことが本当にできるのでしょうか? 今の日本の司法は相当、
|
|
危機的状況にあります。とにかく改革を急がなければならない。議論を延々とやってる余裕はないのです。より早い方法として、既存の司法試験を見直し、司法研修制度を拡充するという方法もあるでしょう。端的にいえば、司法研修所は東京にしかありませんが、大阪にも作り、ここに予算をつぎ込み、それぞれ1,000人ずつ受入れ枠を増やすことで、2,000人の増員が可能になる。2年間、きっちりと研修を行うことで、法曹の質は決して落とさない。そういう方策もあるはずです。この方法なら、予算さえつぎ込めば、一気に増員が実現します」
|