↑What's New ←目次
0 1 2 3 4 5 6 7 通巻 195号

評価手法の課題

−政策評価を進めていく上で、どのようなことが課題になるでしょうか?
「課題は山積みといっていいと思います。われわれも試行錯誤しながら制度を構築している最中です。
 そもそもどのような評価手法を採用するかが難しい問題です。県は総合行政体として、福祉あり、環境あり、公共事業ありというように非常に幅広い分野を担当しています。政策評価をするためには、分野ごとに適した手法が求められますが、そもそもそれぞれの行政分野ごとに評価手法が固まっていませんし、それを総合化する手法も確立し



ていません。目標設定、指標設定も難しい問題です。ある事業の有効性や必要性、どれくらい意義があるか判断するとき、評価の切り口がひとつだけで収まらないことが多いわけです。ある政策課題を達成するための構成事業には、それ以外にも色々な効果がある可能性もあります。事業は決して一面的なものではなく、そのすべての側面を評価するのは難しい作業です。道路一本作るにしても、交通アクセスの改善という物差しもあれば、それによって地域経済が活性化するという物差し、あるいは環境の面から見た物差しもあります。ひとつの事業には色々な物差しが存在します。ひと


つの事業を評価するにも、ひとつの指標では困難で、さまざまな手法を組み合わせて、少しずつ積み上げていくしかないと感じています」

−政策評価が本格的に導入されてから間もないということで、手法が確立されていないことも当然かもしれませんね。
「世界的に見ても、行政の仕事を評価する手法はまだ確立されていません。こういう分野には、こういう手法が適しているというように、それなりに親和性の高い手法というのは生まれつつありますが、全行政分野について、できているかというと、そうではない。やはり手法については、つねに試行錯誤しながら、取り組んでいくべきだと思います」
 



 
→Next

↑What's New ←目次
0 1 2 3 4 5 6 7 通巻 195号
Copyright 2000 株式会社東京リーガルマインド
(c)2000 LEC TOKYO LEGALMIND CO.,LTD.