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実際に法律を作っているのはどこか?

―本日は参議院行政監視委員会の委員長を務めておられる浜田先生に、国会と行政の関係を中心にお話をうかがいたいと思います。まず日本の政策決定のプロセスにおける問題点についてお聞きします。
「私が最も強い問題意識をもっている点は、わが国の政策決定のプロセスが役人主導になっていることです。
 言うまでもなく、日本の憲法は三権分立をうたっています。立法府である国会が法律を作り、行政府がその法律にしたがって執行する。それを司法が厳正にチェックする。そうなっているはずな のですが、実際は行政機構がきわめて強力なの
に比べて、立法を担当する政治の 力が非常に弱いのです。例えば実際に法律を作っているのはどこか?形式としては、国会の委員会、本会議で法案の是非を裁決して、成立しています。しかも二院制ですから、衆参両院のチェックを受けています。しかし、国会に提出される法案のほとんどは立法府からの提案ではなく、行政府が提案した内閣提出法案です。しかも行政府の役人は微に入り細に入り、法案の準備をして、それを立法府の構成員である国会議員に伝えて、さらに法案を通 過させるための根回しまですべてやってしまうのです」


―行政府が立法府をコントロールしているということでしょうか?
「日本は議院内閣制をとっていますから、行政府の長は立法府から派遣される大臣ですが、その大臣に対しても、手とり足取り、すべての振り付けをやってしまう。言うなれば、役人は法案を作るばかりでなく、その法案にまつわる疑問点を挙げて、さらにはそれに対する答えまで万全に準備しているわけです。そのように立法機能は審議過程まで含めて行政府が独占しています。それが日本の政策決定システムの姿なのです」



 
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