いま、わが国の社会は激変のただ中にある。バブルの崩壊後の経済は容易に浮揚せず、リストラによる産業機構の縮小はいまや大失業時代の出現となり、信頼の神話を謳歌した金融制度の惨めな没落は、これを救おうとするゼロ金利政策に支えられながら、なお公的資金に頼り、国民の信用を失い、国民生活の不安の要因をなしている。
そしてこの状況は、進行する少子高齢という、避けることの出来ない社会の地盤変動ともいうべき事象に対応すべき能力を持たないため、困難な立場の人々へのしわ寄せとなってきていることは否定できない。国は、この状況からの脱却のために、可能な限りの手立てを講じている。その目的は、需要の喚起による景気の高揚であり、産業活動の拡大による企業の育成発展と失業者の吸収である。
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このような社会の変化は、国民の経済生活に激しく影響することは言をまたない。失業において、企業の育成において、年金において、介護において、われわれ社会保険労務士は、国民がその生活のすべての変化の局面において深く関わっている。好景気の時代の国民生活の変転よりも景気低迷の時代の国民生活の変動はより深刻であり、われわれ社会保険労務士の業務はよりキメ細かく、より人間的に配慮することが求められる。
そして、21世紀、わが国の人口構造から来る若年労働者の減少、その結果としての雇用の大流動、高齢者あるいはパートタイマーの特殊就労形態の増加、、外国人就労者の増大と、わが国における就業慣行の決定的な変貌は、右肩上りの産業構造と共に成立し発展して来た社会保険労務士の |