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国際行政書士の未来
士業の業際問題

-- 今、士業の規制緩和が議論されていますが、それについてどのようにお考えですか?
「ご存じの通り、現在、士業間の垣根を低くして、相互乗り入れできる部分を増やしていこうという議論が行われているわけです。保田興治先生が会長をされている自民党の司法制度改革調査会には五つの小委員会がありますが、私はそのすべての小委員会の会合に出席しています。その会合で基本的に語られていることは、これまで弁護士が弁護士法第72条で守られ、オールラウンドプレーヤーだったが、国民の利便性から考えれば、それを緩和すべきではないかと
いうことです。例えば、特許紛争は弁理士が代理できるようにする。税金の紛争は税理士、登記その他不動産の取引等は司法書士が、専門家として訴訟代理をできるようにするなどです」
-- 行政書士の方々は職域拡大について、どのような要望をされているのでしょうか?
「ひとつは行政不服審査に関する仕事です。申請者に対して不利益な処分がなされた際、行政書士が本人に代わって審査請求や再審査請求、意義申立を担えるようにしていただきたいということ、もうひとつは30万円以下の少額訴訟事件を扱えるようにしていただきたいと意見を述べています」


-- 行政書士と他の士業間の業際問題ではどのような議論がありますか?
「現在、弁理士法の全面改正が議論されています。弁理士はこれまで主に工業所有権4法、つまり特許権、実用新案権、意匠権、商標権に関する特許庁への申請をしていましたが、特許権に関する売買契約や譲渡といった民間同士の契約に関わる業務への参入を希望されています。また弁護士法第72条で、事件性のある法律行為を弁護士以外が扱うことは違反とされていましたが、仲裁や和解、調停といった工業所有権法に関する裁判、あるいは裁判外の司法手続
きの代理権を希望されているようです。
 行政書士としても、民民間の契約書の作成は行政書士法第1条(注2)が定める権利義務の書類の作成にあたるわけで、著作権等の売買、譲渡、使用契約などに関する業務をできるようにしていただきたいと考えています。これについては、いずれ弁理士と共に行うことになるのではないかと思っています。著作物には音楽や絵画、写真といった文化系のものと、限りなく工業所有権に近いものがありますが、後者の工業所有権に近い著作物は弁理士の方々がぜひ担いたいとされています。


どのように住み分けるかについて今後、若干の問題も出じるでしょうが、私とし ては弁理士、行政書士ともできるということで決着がつくのではないかと期待しています」

注2 「改正入管法」 平成12年2月18日に施行された改正入管法の要点は以下の3点。 @不法在留罪の新設(第70条第2項関係) A被退去強制者に対する上陸拒否期間の伸長(第5条第1項第9号関係) B再入国許可の有効期間の伸長(第26条第3項関係)

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