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国際行政書士の未来
改正入管法の施行

-- 今年2月、改正入管法(注2)が施行されましたが、改正の趣旨はどのようなものだったのでしょうか?
「在留外国人にとって大きな影響のある改正で、法律が施行された2月18日の直前には、外国人が1日に2000人という単位で東京入国管理事務所に押しかけたそうです。
 今回、改正出入国管理法と施行令が施行されましたが、内容を簡単にいえば、厳しくするところはより厳しくして、認めるべきところについては門戸を広げるということです。
 出入国管理法の違反行為に不法入国罪があります。不法に上陸したり、偽造
パスポートで入国するような行為です。また不法就労という罪名があります。留学生としての在留目的で滞在許可をとりながら労働すれば不法就労にあたります。違反者に対しては退去強制という処置をとります。
 今回の改正で不法在留罪が新設され、不法に上陸して在留する行為そのものが処罰(3年以下の懲役若しくは禁錮刑若しくは30万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び30万円以下の罰金を併科する)の対象となりました。また不法残留(オーバーステイ)や不法入国によって退去強制になった後、一定期間、日本に入国させない処置をとり


ますが、その上陸拒否期間がこれまでの1年間から5年間に伸長されました。
 一方、改正によって緩和された面もあります。従来、正規に日本に在留する外国人から再入国許可申請があった時の許可の有効期間が、これまでの1年間から3年間になりました。これは画期的な改正だったと思います」
-- 出入国管理に関する行政書士の仕事はどのように変化しているでしょうか?
「日本人と外国人との婚姻に関係する仕事、とくに在留特別許可の件数がかなり増えています。在留特別許可とは、その在留に違法性があっても、日本人と婚姻関係があり、人道上、退去強制させるに
忍びないと認められれば、特別に在留の許可を出す制度です。 あるいは正式な婚姻関係が無くても、外国人の女性で日本人男性との間で妊娠したとき、胎児認知しておけば、生まれてくる子供は日本国籍になります。養育のことを考えて、滞在を認めようということになった わけです」
-- 今後、国際交流はさらに進むと思われますか?
「さまざまな形で交流が広がっていくと思います。例えば昨年、ワーキングホリデー制度の対象国が増えました。この制度は外国の若い方に日本でアルバイトしながら旅行をしてもらおうというものです 。


対象国はカナダ、ニュージーランド、オーストラリアの3カ国でしたが、これにフランスと韓国が加わりました。これは国際交流の窓口の拡大として大きく位置づけられる制度だと思います。
 さらに日本政府は研修という部門でも、外国人の受入れの幅を広げようとし
ています。農業研修などが対象となりますが、介護保険の開始にともない、介護に関わる研修で相当大規模な受け入れを考えているとの報道もあります。
 それらのことから見ても今後、行政書士が扱う入国関係の業務の件数が増えていくことは間違いないと思われます」

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