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▽地方分権一括法施行で活気付く「地方自治」
今、地方自治体の動きが活発である。特に、東京都の石原慎太郎知事は一部銀行への外形標準課税導入を決定し(3月30日都税特例条例案可決、成立)、自治体の課税自主権拡大、政策決定のあり方に一石を投じたことは記憶に新しい。4月1日、地方分権一括法(地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律)が施行された。同法は、地方自治法、国家行政組織法、地方財政法、地方税法等、475にも及ぶ法改正を一括して行い、地方と国とを対等協力関係に位置付けようとするものである。地方分権推進と密接不可分の関係にある財源確保についても、地方債発行許可制の廃止(地方財政法第33条の7)、法定外目的税の新設変更に係る許可制から事前協議・同意制への移行(地方税法第731条)など見直しが図られ、自治体独自の財政政策とその評価が今後の焦点となる。地方分権一括法の具体的内容については、地方分権推進委員会の5度にわたる勧告(別表資料)が骨組となっている。 |
▽地方自治の試金石「介護保険制度」
同じく4月1日、介護保険制度がスタートした。市町村及び特別区が実施主体となり、訪問調査、介護認定審査会による判定、要介護認定、ケアプラン作成を通じ保険料を給付することで、包括的な介護サービスを提供するシステムになっている。既に昨年10月からは要介護認定が始まっている。自治体は十分な需要動向予測の下、着々と準備を進めてきた。介護保険の実施は、世帯構成の地域特性、高齢者福祉に対する住民意識、所得状況など住民側の要素に大きく左右される。住民と自治体が共同で築き上げていく、これが介護保険の要である。 |
▽自治体職員に求められる政策担当能力
地方主権時代の本格的到来により、自治体職員に求められる資質(政策担当能力)も大きく変わった。政策形成の一翼を担うスペシャリストであるという尊い自覚が必要である。問題点の抽出→政策目標の設定→政策の企画、立案→政策の実行→政策の評価の全プロセスに関与し、自治体の独自性、特性を発揮させる力量が不可欠である。介護保険制度導入前には、厚生省基準とは異なるいわゆる「上乗せ条例」「横だし条例」を検討した自治体が相次いだ。真の地方主権を先取る自治体となるには、こうした試みが絶対条件である。 今回の特集は、『活性化する地方自治』と題し、インタビューをお届けする。 |
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