愛知県、訴訟に外部の専門弁護士を起用
2015年9月1日 LEC資格トピックス
愛知県は、県が裁判所の当事者となるときには、弁護団の編成に際して、県の顧問弁護士だけでなく、訴訟分野の専門弁護士を加えることを方針として示しました。
愛知県は、2009年、発注した地盤改良工事において材料が本来の砂ではなく、契約に反してスラグという安価な粒状の鉄くずが使われたため、スラグ除去などにかかった費用を回収できなくなったとして、共同事業体(JV)に対して42億円の損害賠償請求を提訴しました。
しかし、2013年、第1審で名古屋地裁は請求を棄却し、2015年、控訴審である名古屋高裁の判決もこれを支持し敗訴したため、県は上告を断念しました。
この結果を受けて、愛知県は、今年の4月から、訴訟経緯の検証に着手しました。検証では、工事に瑕疵、不正があるという前提に立ち、証拠の整理や理論構成に不十分な面がある等の問題点が明らかになりました。
そこで訴訟が起こりうると考えられる事案については提訴以前の段階から、専門家と意見交換を行っていくことになりました。そのほか、訴訟に至らないような事案についても顧問弁護士と相談をし、その結果を共有することになりました。