合格率3%の難関"司法書士試験"。学習を始める前にいろいろ聞いてみたい"司法書士"のこと。試験勉強を始める前に"司法書士のリアル"に触れていただくことで"自分の未来"をより鮮明に想像してみよう!次に司法書士になるのは貴方です!人生を変える一生ものの資格に挑戦してみませんか?
未来の私を想像してみよう!司法書士若手士業奮闘記!
司法書士<小林 綾見>先生が司法書士を目指したきっかけから合格後の研修、開業、そして現在に至るまでのエピソードを連載致します。
第1回目のテーマは"司法書士を目指したきっかけ"をお話しいただきます。
【第1回目】
■司法書士を目指したきっかけ
私が司法書士の試験勉強を始めたのは大学3年生の頃からでしたが、実は、それまでは公務員になるつもりでした。私自身、親族や知り合いに司法書士がいるわけではなく、大学の学部も「法学部はつぶしが利く」と聞いて選んだだけ。両親もやはり自分の子供にはお堅いところに就職して欲しいという思いがあったらしく、卒業後の進路は、地元の市役所をやんわりと勧められていました。
しかし、就職活動にせよ、公務員試験の勉強にせよ、周囲が進路について話をするようになると、急に焦りを感じるようになりました。
「昔から○○に興味があるから、そっち系の企業に就職したい」
「自分の外国語のスキルが生かせる、海外に支店のある会社を考えている」
「地元の△△なところが好きだから、市役所のそういう部署で働きたい」
「地方の方が待遇はいいけど、調べるうちに国家一般の方に憧れる気持ちが強くなった」
などなど、大学3年生にもなれば、そういう現実的な夢のひとつやふたつみんな持っているもんなんですよね。
それまで自分の将来のことを真面目に考えてこなかったツケなのでしょうが、なんだか自分には何もないような気がして、急に自分だけ取り残されたような気持になり、そして、現実問題、「面接試験のときに何も話すことがない」というシビアな悩みを抱えるようになりました。
そんなとき、通っていた大学のインターンシップ制度で司法書士事務所に行くことになりました。
周りのみんなも参加するし、インターンシップに参加すると大学から単位がもらえるからと参加したインターンシップで、なおかつ、インターンシップ先のリストの中あった市役所や県庁などの公務員志望向けのインターンシップ先は人気があって色々面倒だから、なんとなく「それっぽい」感じのする司法書士事務所にしよう、という本当に申し訳ない理由で司法書士事務所をインターン先に選んだのですが、そのインターンシップ中に、私は公務員志望から司法書士志望に転向することになりました。
後で知ったことですが、私のインターンシップ先は、昔からクレサラ問題等に取り組んでいる全国でも名の知れた司法書士事務所でありました。
インターンシップ中、司法書士の先生方が具体的にどんな仕事をしているのかは当時の私には分かりませんでしたが、先生方から聞いたお話の中で印象に残っているのは、・印象に残っている事件はたくさんあるが、借金で首が回らなくて相談に来た依頼者が、最終的に借金がなくなったうえお金が戻ってくることになり、最後には「先生は魔法使いみたいだ」と言って感謝されたこともある。
普通に仕事をしていて、依頼者に「ありがとう」と言ってもらえる、ほかにはなかなかない、やりがいのある仕事だと感じている。
・弁護士の仕事は、裁判だからwin-loseになることが多いが、司法書士の仕事は、特に不動産の売買などはwin-winで終わることが多く、「平和産業」なんて言われている。
などなどです。
そして何より、働いている司法書士の先生方は皆さんキラキラして見えて、自分もこんな風になれたらと強く感じたのを鮮明に覚えています。
インターンシップ最終日には「私も司法書士になります」と宣言して、そこから司法書士の受験時代がスタートすることになるわけです。
次回は、受験時代の話です。