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DATA | ||
殺人事件の背後に潜む圧力に敢然と立ち向かい真相を究明する弁護士を描いた典型的な法廷ミステリー映画です。
原題は、"Shadow of Doubt"。1997年Adam Kline Production製作、Largo Entertainment, Inc.配給で公開されました。日本語字幕版ビデオは邦題「疑惑の幻影」と題して、日本ヘラルド映画発売、ポニー・キャニオン販売でリリースされています。 マイラ・ビアンカとレイモンド・デフェリタが書き下ろした オリジナル脚本をアダム・クラインがプロデュース、ランダル・クライザーが監督しています。 |
被告人側の弁護士で事件を解決するヒロインに「ワーキングガール」のメラニー・グリフィス、敵対する検察官役に「プラトーン」のトム・ベレンジャーが好演しています。トム・ベレンジャーは最新作「相続人」でも弁護士役で出演しており、引き続いてのロイヤー役です。ほかに被告となるラップシンガーに「デンジャラス・マインド 卒業の日まで」のウェイド・ドミンゲス、ヒロインに圧力をかけるシルビアに「ガラスの塔」のニーナ・フォッチなど多彩な脇役陣が出演しています。 |
STORY | ||
舞台はロスアンゼルスの高級住宅地ハリウッドに続くベルエアーズ。地元資産家の娘ブリジットが惨殺死体で発見されます。ロスアンゼルス市警は、前夜、クラブから被害者と一緒に出て行くところを目撃されたラテン系ラップシンガー、ボビー・メディーナ(ウェイド・ドミンゲス)を逮捕します。 ボビーの音楽事務所からの依頼で弁護にあたることになったのは、数々の訴訟で無罪を勝ち取り、 マスコミにも注目される辣腕女性弁護士キット・デヴァリュー(メラニー・グリフィス)です。 | しかし、犯行の起きた夜、被害者と一緒にいたことは認めたものの無実であることを訴えるボビーが、かつて覚せい剤の売人であったことや、マイノリティーであることなど、被告人側不利のまま訴訟を戦わなければなりません。彼女の元夫でロスアンゼルス地方検事局の検察官ジャック・カンピオーニ(トム・ベレンジャー)が、検察側として戦う相手となりますが、彼も地方検事から更なる出世を狙っています。 |
彼は罪を認めれば過失致死罪に軽減するとの司法取引を持ち掛けてきますが、ボビーの無実の訴えを信じる彼女は申し出を退けます。 キットは事件の背景調査に乗り出しますが、被害者の周囲の人達、肉親、友人いずれも口が重く多くを語ろうとはしません。そのような中、被害者の父親の友人であり、次期大統領候補を目指す上院議員ポール・サクソン(ジェイムス・モリソン)やその母親シルビア(ニーナ・フォッチ)らが | 裁判から手を引くよう彼女に忠告し、圧力をかけ始めます。真相究明のため命の危険をも覚悟しますが、捜査を進めるうちに、ポールと被害者との関係を嗅ぎ付けます。しかし、ポールの支持者でもあるジャックは陪審の前で理路整然とボビーの犯罪を主張し、彼女は反論することもできません。 審理も終わりに近付いたある日、キットは、仕事場の扉の前に置かれた被害者の遺品の入った箱のなかから、ある証拠品に目を留めます。 |
POINT | ||
典型的な法廷ものミステリーですが、見るべきポイントは現在のアメリカの訴訟における最新の技術です。 証人の証言は、裁判官の手許のモニター画面に即時に文字化されて映し出されます。もし、証人尋問や発言に異義が出されれば、即時に検索して判断できます。陪審に対する証拠品の提示は、大画面のテレビモニターに写真を映し出し、リモコンで次々に変えながら説明されます。 |
また、ヒロインのオフィスはまるで電子機器に囲まれたコックピットのようでした。 弁護士の考え方、検察官とのやりとり、証人尋問のテクニックなど法律家としての基礎的なところは昔と変わりはないのですが、現代のアメリカの裁判にどのような電子機器が使われているかこの映画で見ることができます。 |
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