調べてみると、D夫人が面接に出席しなかったため、このケースは放棄同様の扱
いになっていた。そのまま再通知を待っていたら迷宮入りしてしまっただろう。D夫
人は通知が届いたときの事情を説明し、再度面接審査のスケジュールに加えてもらっ
た。その後はスムーズで、4月には米国市民となった。一方肝心のD氏はというと、
そもそもD夫人と同時に審査されるべきだったのに、何と申込書が見落とされていた
ことがわかった。しかも、指紋審査結果が有効期限切れとなり、再度指紋を取らされ
、その結果をFBIにかけ、待つこと3ヶ月。最近やっと面接通知が来たばかりである。
同様に、英国出身の元画家、名誉教授のユダヤ系白人C氏も、
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面接まではパスした
ものの、海外講演のため宣誓式参加を延期しているうちに時間が経過し、宣誓通知が
来なくなった。調べてみると、指紋審査が失効していた。再度指紋を提出し、FBIを
クリアするプロセスのやり直し。そのうちにまた海外講演が間近になり、間に合わな
いかと半分諦めていた頃になって、宣誓式への参加通知が届いた。C氏は成人してか
らずっとアメリカに住み、年齢も70歳を越えており、市民権を取ることを急ぐ理由も
なかったが、一つのけじめと考えたらしい。英国ではマイノリティー扱いで差別を受
けたため、英国人であることにはこだわらなかった。逆に、多様人種からなるアメリ
カ国民の一部となったことに、密かな誇りを感じているようだった。
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