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通巻 194号

<司法制度改革懇話会>
【提言26】 士業の派遣労働を認めるための法整備
26−1 労働者派遣法、各士業法を改正し、士業の派遣労働を認めるべきである。
<理由・解説>
26−1について
 1999年12月1日、改正労働者派遣法が施行された。周知のとおり、今回の改正の意義は派遣労働対象職種が原則自由化されたことにある。他方、ネガティブリスト(4種)と共に、適用除外業務とされている職種がある。士業がその一例である。
 「労働者派遣事業関係業務取扱要領」(労働省職業安定局)によると、「弁護士、外国法事務弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士については、資格者個人がそれぞれ業務の委託を受けて当該業務を行う(委任契約の当事者として独立し、当該業務については指揮命令を受けることがない)ことから、労働者派遣の対象とはならない」とされている。
 しかし、業務について派遣先から指揮命令を受けることがなければ、労働者派遣事業の定義にあてはまらないというのであれば、士業の場合は特例を認めるべきである(労働者派遣法第2条の改正が必要)。士業はプロフェショナルである以上、他人の指揮監督下に入らないのは当然である。またそれで以て派遣労働を禁止するには理論的根拠に乏しいというべきである。
 さらに、職業紹介については、従来から各士業(登録者)を求人先へと斡旋することが認められている。2000年12月1日より、いわゆる紹介予定型派遣(temp to perm)が認められることの対比からして、職業紹介の前段階としての派遣を認める必要性が高いといえよう。
 士業派遣の可否については、労働省と資格監督官庁(法務省、大蔵省、通産省等)の狭間に落ちている問題である。それ故解決のイニシアティブが難しい。関係省庁間で調整し、士業の派遣労働を認めるべきである。

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