20−1 弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、行政書士、社会保険労務士、中小企業診断士等、全士業に共通して適用される「士業倫理法」を制定すべきである。
20−2 法曹倫理は法科大学院の必修科目とすべきである。ケーススタディを中心に、プロフェッショナルとしての高い倫理意識を醸成すべきである。 |
各士業の倫理規程については、各士業会が定める独自ルールによる。会員に重大なる違法行為が認められるとき、懲戒権を有するのは弁護士会のみであり(弁護士法第33条第2項第14号)、あとは監督官庁による処分に委ねられている。
近時、弁護士による非弁提携、公認会計士による粉飾決算、税理士による脱税コンサルティングなど、法曹、準法曹の中で違法行為、反社会的行為が後を絶たない。これは、会の定める倫理規定が機能不全に陥っていることを意味する。士業はいわば社会的存在であり、高い職業倫理が求められることは言うまでもない。
士業倫理は、ユーザーの視点で厳しく定められるべきである。全士業に共通するものとして「士業倫理法」を制定し、違反行為に対する罰則を強化すべきである。 |
法曹倫理教育は、士業会の行う研修の中で取扱うことも重要であるが、法科大学院の必修カリキュラムと位置付け、プロフェッショナルとしての倫理感覚を養う教育が必要である。過去のケーススタディを参照し、何が問題か、法曹としてどのような姿勢が求められるか、そこで問われる倫理感覚・実践能力とは何か、など学生に討議させ、職業倫理の基礎を身につけさせるのが妥当である。メタ倫理学の押し付けは学生に通用しない。 |
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