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通巻 194号

<司法制度改革懇話会>
【提言16】 既存の司法参加制度の在り方
16−1 検察審査会による起訴相当の議決(検察審査会法第27条但書)に法的拘束力を与え、検察官の公訴提起を義務付けるべきである(刑事訴訟法第248条の例外)。
16−2 調停委員、司法委員には、退職したベテラン企業法務部社員を一層多く登用すべきである。
<理由・解説>
16−1について
 既存の司法参加制度には、検察審査会制度(検察審査会法)、調停委員制度(民事調停法第6条、家事審判法第3条第2項)、司法委員制度(民事訴訟法第358条の4〜第358条の6)などがある。司法制度を補完するものとして一層の機能強化が必要である。
 まず検察審査会制度であるが、検察官による不当不起訴(公訴権濫用)をチェックする機能を強化しなければならない。不当不起訴については事件当事者は関知できず、唯一、検察審査会が当否を判断しうる。そこで、検察審査会による起訴相当の議決には、検察官は法的に拘束されるものとし、通常の公訴提起へと移行させるべき である。
16−2について
 調停委員、司法委員は裁判官以外の民間人(弁護士、司法書士などの実務法律家、大学教授など)が務め、調停・和解による紛争解決に大きく寄与している。こうした民間人の活躍は硬直した法律判断を避け、より実務に適応した妥当な解決をもたらす効果がある。
 しかし、両制度をさらに一般の市民感覚、企業社会における常識のレベルに近づけるためには、例えば退職したベテラン企業法務部社員を登用することで、合理的解決が得られるはずである。彼らの豊富な実務経験を有効に活かすにはこの方策しかない。

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