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通巻 194号

<司法制度改革懇話会>
【提言15】 陪審制・参審制
15−1 陪審制・参審制の導入問題については、裁判官との権限関係、陪審員の選任方法、対象となる事件等につき議論を尽くすべきである。拙速な制度導入は避けるべきである。
<理由・解説>
15−1について
 陪審制・参審制は、国民の司法参加を促進する制度的機能を有すると言われる。また、(法曹資格を有しない)国民が直接、裁判に参加し法的正義を実現したり、法の支配の確立に関与することを通じて法意識を高め、司法制度全体のレベルアップにつながる効果も期待できよう。
 しかし、制度としての導入には、陪審員の選任方法など未だ国民的合意が得られていない問題が残っている。また、現在の裁判所が抱えている問題については、裁判官の増員によりクリアできるものもある。さらに、判決は法的安定性と結論の妥当性のバランスにより決せられることから、この法的判断に陪審員が耐え得るか、果たしてそれを全国民が信頼するかが問題である。
 国民の司法参加を促進することと、民主的な司法制度を築き上げることとはニュアンスを異にする。拙速な導入はかえって司法制度への信頼を揺るがす結果となる。(特に市民レベルで)十分な議論を尽くすべきである。

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