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キャリアコンサルタントは独学で取得できる?受験資格や勉強法まで完全ガイド

キャリコン年収
キャリアコンサルタントは、多くの人々のキャリア形成をサポートする重要な役割を担っており、その需要はますます高まっています。それに伴い、キャリアコンサルタントを目指す方も増えていますが、学びや資格取得に要する時間やコストを負担に感じる方も少なくありません。キャリアコンサルタント試験の受験条件を満たし、独学での挑戦を検討する方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、独学でキャリアコンサルタント資格の取得を目指す方法と、専門実践教育訓練給付金を利用し、学費の最大80%が給付される養成講座を受講する方法について比較し、詳しく解説いたします。

目次

キャリアコンサルタントとは?

キャリアコンサルタントとは、個人のキャリア発展や職業選択をサポートする専門家のことです。クライエントの職業適性や市場動向を分析し、クライアントが最適なキャリアパスを見つける手助けをします。具体的には、職業選択や転職、スキルアップのアドバイスを提供するだけでなく、自己理解を深めるカウンセリングも行います。キャリアコンサルタントは、個人の職業生活全般にわたるサポートを提供する重要な存在です。クライエントが自律してキャリアを進めるサポートの役割を担っています。

キャリアコンサルタントの重要性

DX(デジタルトランスフォーメーション)、AIの進展による社会の激変に伴い、労働環境が複雑化しています。AIによる仕事の減少、逆に新規ビジネスの創造、リスキリング推進の動きも加速しており、これまで以上に「働く」について専門的なアドバイスが求められます。キャリアコンサルタントは、クライアントにとって最適な選択ができるようサポートし、職業生活の質を向上させる手助けをします。
キャリアコンサルタントの魅力をより詳しく見たい方へ
企業においても、従業員のキャリア開発・形成をサポートすることで、組織全体の生産性向上に寄与します。人事、キャリア開発・形成担当部門にはキャリアコンサルタント有資格者が多く配属され、活躍しています。また、部門を問わず、マネジメントや部下との1ON1実施においても、キャリアコンサルタントの学びや資格が有益です。
キャリアコンサルタントは、クライエントの自律的キャリア形成のサポートにおいて、企業内における重要性もますます高まっています。

キャリアコンサルタント試験とは

では、キャリアコンサルタントになるために合格すべきキャリアコンサルタント国家試験について説明していきましょう。
キャリアコンサルタント試験には、学科試験実技試験があります。
これは、キャリアコンサルタントとして求められるのが、知識だけでなく、実務的なスキルも重要だからです。学科試験では、理論や法規に関する知識が問われ、実技試験では面接やロールプレイングを通じて、相談スキルが評価されます。
学科試験では、労働関係法令や労働市場の動向、カウンセリング技法など、理論的な内容が出題されます。一方で、実技試験では、模擬的な相談場面を通じて、相談者との対話から適切なキャリアコンサルティングを行う力が評価されます。具体的には、ロールプレイングを通じて、傾聴力や信頼関係構築力、問題解決へのアプローチがどのように行われるかを見られるのです。
試験に合格するには、学科試験と実技試験の両方をクリアする必要があります。学科試験では理論や法律、社会環境等の知識が確認され、実技試験ではその知識をどのように実際の相談場面で活用できるかが評価されます。そのため、知識だけに頼ることなく、実践的なスキルも同時に磨いていく必要があります。キャリアコンサルタントを目指す方には、幅広い知識と応用力を身につけ、総合的な能力を身につけることが求められます。

キャリアコンサルタントは独学でも取得できる?

キャリアコンサルタント国家試験の受験要件をみてみましょう。
以下いずれかの条件を満たす方はキャリアコンサルタント養成講座を経由せず、独学での受験が可能です。
1.労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談実務業務について、3年以上の経験を有する者。
2.技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者。

受験資格別の受験者数の比較


下記は、第26回キャリアコンサルタント試験受験者の受験資格別人数の比較表です。養成講座修了生が大多数であることがわかります。
キャリコン年収
*出典:「第26回キャリアコンサルタント試験結果の概要」より
※1 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
※2 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
※3 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
※4 受験資格に関する経過措置対象者(厚生労働大臣が指定する講習(平成28年3月までに実施されていたキャリア・コンサルタント能力評価試験の受験資格として認められてきた養成講座))を修了した者。経過措置は令和3年3月31日に終了していますが、過去の集計結果には対象者が含まれています。

受験資格別の合格率を比較


受験資格ごとの合格率は下記グラフの通りです。
キャリコン年収
*出典:厚生労働省より作成
学科試験と実技試験のいずれにおいても、キャリアコンサルティング実務経験で受験した人よりも、キャリアコンサルタント養成講習修了者の方が合格率は高いことがわかります。日常的にキャリアコンサルティングを実施している方も多くいらっしゃいますが、実務経験が合格に直結するものではないことがわかります。
独学でキャリアコンサルタント資格を取得するためには、オンライン教材や過去問題集を活用しつつ計画的に学習を進めること、特に実技試験においては、キャリアコンサルティングの基本に立ち返り、試験で求められるスキルや要素を正確に把握することが必要だといえそうです。

キャリアコンサルタント試験を独学で受験するときの勉強法や勉強時間は?

キャリアコンサルタント試験を独学で受験する場合、効果的な勉強方法と適切な勉強時間の確保、そして自己管理が求められます。ここでは、独学で合格を目指すための具体的な戦略を紹介します。

勉強時間


キャリアコンサルタント試験に向けた勉強時間は、個人の経験や学歴によって大きく異なります。業務で関連する知識やスキルを既に持っている人は、基礎から学ぶ必要がないため、短期間での学習が可能です。逆に、未経験者や関連分野での知識が少ない人は、基礎からしっかりと学習する必要があり、より多くの時間が必要です。
例えば、人事やカウンセリングの経験が豊富な人は、約3〜6ヶ月の学習で十分な場合があります。一方、未経験者が基礎から学ぶ場合は、6〜12ヶ月以上の学習が推奨されることが多いです。自分の経験や背景に応じた現実的な勉強時間を設定することが、効率的な学習と試験合格への最短ルートです。

学科試験


学科試験の対策には過去問題を何度も解くことが効果的です。過去問を解くことで、試験の出題傾向や問題のパターンが理解でき、効率的に対策を立てることができます。例えば、過去3年間の試験問題を繰り返し解くことで、頻出問題や重要分野を特定しやすくなり、自分の理解度を確認し、苦手分野を重点的に復習できます。
さらに、過去問を活用した学習は試験の形式や時間配分に慣れることができる、本番での緊張感を和らげる効果もあります。試験直前に過去問題集を使った模擬試験を実施することもおすすめです。このように過去問題を繰り返し解き、出題パターンを把握しておくことが学科試験を突破するための重要なステップになります。
また、市販の問題集や試験対策講座の活用も効果的です。さまざまな形式の問題を解くことで、出題傾向だけでなく自分自身の学力の偏りや苦手分野を発見しやすくなります。試験に向けたペースメーカーともなります。
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論述試験


論述試験は、どのように勉強したらよいか迷う方が多い科目です。そのため、論述試験対策講座受講を視野に入れることをお勧めします。正確な知識だけでなく、設問に対して的確に答え、適切な表現や論理的な文章構成で記述しているかが求められます。独学ではこれらを網羅するのが難しいため、専門的な指導を受けることで大きな効果が期待できます。例えば、LECの論述試験対策講座では模範解答の提供や解説、答案の添削も行っており、プロの指導者によるフィードバックを受けることができます。
また、講座内でのディスカッションを通じて新たな視点を得ることも可能です。これにより、自身の理解を深めながら論述スキルを向上させることができます。論述試験に合格するためには、専門的なサポートを得ることが成功への鍵になります。
さらに、試験対策講座を受講することで受験仲間とのネットワークが作られ、勉強仲間を見つけ、勉強会を開催する機会にもなります。
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面接試験


面接試験に合格するためには、ロールプレイングの練習が必須です。実際の面接は対話を通じた評価が行われるため、学生や求職者等様々な立場のクライエントを想定した上で、それぞれのクライエントに応じた対話スキルが重要となります。日常的にキャリアコンサルティングを実施している方は、普段接するクライエントとは異なる属性の方に、いかに適切に対応できるかが課題となります。例えば、多様なクライエントが抱える課題を理解し、それぞれの属性に応じた相談の進め方をイメージしてのロールプレイングが必要です。
受験資格別の合格率データで確認した通り、実務経験者の方が養成講座修了生よりも合格率が低いです。実務経験に頼らず、キャリアコンサルティングの基本である傾聴や信頼関係構築などを改めて振り返り、忠実に練習を重ねることが大切です。キャリアコンサルティングの実務経験が豊富な方も、試験対策講座で基本を見直し、試験で求められるスキルや要素を確認することが合格に近づく秘訣です。試験対策講座を受講し、自信を持って試験に臨みましょう。
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独学のメリットとデメリット

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メリット


独学の最大のメリットは、自分のペースで学習を進められることです。忙しい日常の中でも、自分のスケジュールに合わせて学習時間を確保できるため、無理なく続けられます。また、学習コストを抑えられる点も魅力です。教材やオンラインリソースを活用することで、比較的低コストで学習を進めることができます。

デメリット


キャリアコンサルタント試験の合格率は、第1回試験から現在に至るまで、キャリアコンサルティングの実務経験ありの受験資格で受験した人よりも、キャリアコンサルタント養成講習修了者のほうが高い結果が出ています。独学では最新の情報や試験の出題傾向を把握しにくいことや、自己管理が困難になるリスクがあります。例えば、試験の出題傾向が変わった場合、独学の場合、その情報に気づくのが遅れる可能性があります。また、学習中にモチベーションが低下した際にサポートが受けられず、勉強の継続が難しくなることがあります。さらに、実技試験においてロールプレイングの練習を適切に行う機会が減り、その部分で苦戦する可能性もあります。試験で求められていることを正確に把握せず、自身のやり方で進めてしまうリスクもあります。
独学での受験は確かに節約効果があり、自己ペースでの学習を可能にするという大きなメリットがありますが、一方で情報収集の難しさやモチベーション管理の困難さといったデメリットも存在するため、これらを踏まえて自分に最適な学習方法を選ぶことが大切です。独学のデメリットを認識し、事前にこれらのリスクに対する対策を考えることが重要です。

効率的な学習スケジュールの組み方

キャリアコンサルタントの資格取得を目指すには、計画的かつ効率的な学習スケジュールを組むことが重要です。短期間で大きな成果を上げるための鍵となります。この記事では、学習ルーティンの確立、中長期の学習プラン設定、そして学習進捗のチェック方法について詳しく解説します。これらのポイントを押さえることで、効率的に学習を進めることができ、資格取得への道がよりスムーズになります。

効率よく合格するための勉強法

ここまで、独学での受験を検討する方向けにご案内をしてきました。独学、養成講座受講のどちらを選択するかはご自身のお考え次第です。独学での受験が複数回に及ぶことになった場合、養成講座を経た方が早く資格取得できるかもしれません。特に、専門実践訓練給付制度を活用できる方は、受講料の最大80%が返還されるので、最終的なコスト負担が大幅に減ります。制度活用も踏まえ、養成講座受講も検討されることをお勧めします。

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キャリアコンサルタント養成講座とは


未経験からキャリアのプロフェッショナルを目指せる、キャリアコンサルタント養成講座。国家資格受験資格が得られ、相談実務に必須の知識・スキルが習得できます。仕事のスキルアップや自分らしく生きるための学びにも役に立つ講座です。
キャリアコンサルタント養成講習に参加するためには、一定の費用と時間が必要です。ただし、LECキャリアコンサルタント養成講座では、厚生労働大臣認定講座、厚生労働大臣指定専門実践教育訓練給付金対象講座で、受講料302,500円のうち 最大80%(約24万円)が給付されます。

まとめ:独学でキャリアコンサルタントになるためのポイント

国家試験受験要件を満たす方は、独学でキャリアコンサルタント資格を取得可能です。ただし、独学には計画的な学習と自己管理が求められます。学科試験や実技試験など、それぞれの試験内容に適した学習方法を取り入れることが重要です。
独学でキャリアコンサルタントを目指すなら、まずは試験内容をしっかりと理解し、計画的に学習を進めていきましょう。現在利用できる学習リソースを活用し、過去問題を繰り返し解くことから始めてみてください。
独学での学習が思うように進まない場合は、試験対策講座を利用するのも一つの方法です。また、養成講座受講の可能性も排除せず、自分に合った学習方法を模索し、キャリアコンサルタント資格取得を目指してください。

筆者・監修者

筆者:株式会社東京リーガルマインド キャリアコンサルタント課 山中 沙知

大学卒業後、大手SIerにて金融機関向け財務分析システムの開発・サービス企画に従事しつつ、産業カウンセラー資格を取得。LECに入社後、キャリアコンサルタント関連講座の運営・社内業務改善に取り組むかたわら国家資格キャリアコンサルタントを取得。キャリア相談の場を広げるべく、関連法人NPO生涯学習にてオンラインキャリア相談サービス「つなぐe-キャリア」の企画・運営にも従事している。

西脇 奈保子
監修:株式会社東京リーガルマインド 執行役員 西脇 奈保子

新卒で(株)リクルート入社、6年半勤務後、NHKキャスターに転身。 NHK宇都宮放送局、さいたま放送局、渋谷放送センターにて、 総合TV・BSニュースのキャスター、番組企画制作・リポートなどを担当。 LEC東京リーガルマインド入社後は、公共事業本部マネージャーとして、 厚生労働省、自治体からの委託による就労支援事業、研修・講習運営事業を複数統括。 現在は講師として、キャリアコンサルタント養成講座・2級技能検定対策講座・更新講習を担当。 関連法人NPO生涯学習プロデューサーとしてキャリアコンサルタント活躍の舞台拡大、 ESD事業部では、外国人のキャリア支援にも取り組み中。

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