【講師のひとこと】国家資格キャリアコンサルタント合格への道〜まず、何をどう勉強したらよいのか〜
こんにちは。
キャリアコンサルタント養成講座の講師をしています碇(いかり)ともみと申します。
皆様に『キャリアコンサルタント』という魅力ある仕事について、たくさんのことを知ってもらいたいと思い、コラムを執筆させていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。
- 目次
キャリアコンサルタントって何?
キャリアコンサルタントは、相談者の悩みを聴き、相談者に気づきを促し、今後の人生を豊かに歩んで頂けるように支援をしていくことです。
「相談者の主体的な意思決定の支援」
上述がキャリアコンサルタントの役割とされています。
ということは、私たちの経験談や価値観から導き出されたものではなく、相談者の今までの経験や価値観から自らが自分の道を導き出すことが大切になってきます。そこで、重要となるのが人の話しを聴く力(傾聴力)です。
そして、相談者の人生は自身の経験や価値観、社会背景など複雑に絡み合っているので、その話を聴くことに耐えうる力をキャリアコンサルティングの技法や理論、心理学、経済・経営、労働法などたくさんの知識と実践を通して学んでいきます。キャリアコンサルタント養成講座はこれらすべてを短期間(12週間)で修了します。
思い切ってキャリアコンサルタント養成講座に申し込んでみる
受講生がキャリアコンサルタントの養成講座を申し込んだ理由として、
・「人の役に立つ仕事をしたい」
・「以前から興味を持っていた」
・「国家資格を取ってみたい」
・「部下との円滑なコミュニケーションをしたい」
・「人事・労務関連の仕事を強化したい」
・「学生の就活活動の支援がしたい」
・「産休中に自己啓発したい」
・「セカンドキャリアを考える」
など、身近な動機や理由から申し込みをされています。
また、LECキャリアコンサルタント養成講座では皆様の都合に合わせて様々なコースのご用意があり、急な予定変更にも全国への振替対応が可能になっています。
@一日コース(7.5時間)12回
A半日ずつコース(3.5時間、4時間)24回⇒平日や休日の昼コース、平日夜コース)
Bオンライン受講
教材が届き、受講が始まり、どう勉強したらいい?
申し込みをし、受講日までたくさんの教材が届くと、
「こんなにいっぱいあるの?!覚えるのが大変だ」
『安心してください』
キャリアコンサルタントである熱意を持った講師と同じ方向で頑張る仲間が皆様の学習を駆り立て、一気に乗り切っていく受講生がほとんどです。
キャリアコンサルタントの学習は予習よりも復習に力を入れていきますが、予習が必要な添削課題や宿題など指定されたものも併せて確実にこなしていくことが大切です。
それでは、具体的な学習法を探っていきましょう。
LECキャリアコンサルタント養成講座のテキスト5冊の攻略法の一例
LECキャリアコンサルタント養成講座のテキストの5冊をすべて制覇するためには、“どこがどう重要なのか”を自分がそのぺージを開いたときに一目で分かるようにしておくとよいでしょう。
例えば、色マーカーを規則的に使うということも有効的です。私の場合、重要なところはピンクで下線を引き、さらに重要だと思うキーワードは平塗りします。また、重要項目のネガティブなこと(課題点、注意点など)は水色の下線、そしてそのなかでのキーワードを平塗りする。キャリア理論家などたくさんの人が出てきます。人はすべて緑で平塗りにしています。そして、ページの端にある余白に簡単に内容のまとめを箇条書きにしています。テキストのそのページを開くと、人、重要な事柄が一目で分かるようにしています。
たくさんいるキャリアの理論家の覚え方
受講生から「多く出てくる理論家が覚えられません!」という声があります。まず、誰が何を言ったかということに躍起になり、焦ってしまうことが多いようです。私は受講生に時々、理論家の顔をまとめたものを見せて説明することも試みています。外国人の名字だけでは、男性か女性かも分からないこともあるので、理論家を背景や履歴など多角面から興味を持たせることも楽しく学習するひとつだと考えています。
「理論」と言うと難しく考えてしまいがちですが、たくさんの人(もの)が起こっている現象に対して実証されているのが理論なので、自分ごととして捉えさせ、私自身の理論実例やキャリアコンサルティングの活用事例をお伝えして、理論を身近なものとして親しみを持ってもらう努力をしています。
労働市場・経済状況・労働法などの関する統計攻略
労働関連の統計や状況把握に関して、苦手意識があるとの声をよく聞きます。
養成講座では、「キャリアコンサルタント関連情報集」(特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会編)の最新版が配布されており、各項目に関して、関連情報集ではどの部分に記載があるかを伝えていますので、各自復習や追学習として活用されています。
特に冒頭の最新トピックや統計で注目してもらいたいところ(急激に上昇・減少)の読み取りを確認していきます。
さらに、受講生の皆様には労働市場の動向や経済状況、雇用に関しても取組みにも今以上に興味をもってもらうことが統計攻略の基本となります。
ロールプレイの学習法
キャリアコンサルティングは「相談者の話を聴いて、心に寄り添い、相談者自らが主体的に意思決定していくことを支援する」と言われていますが、フラットな状態で人の話を聴くということは、容易なことではありません。
養成講座では、キャリアコンサルティングの進めるための技法、仕組みなどを学ぶのですが、受講生個々人のクセや偏りなどに気づき、課題を見つけ出し、アドバイスしていくのが講師の役割と考えているので、メイン講師、サブ講師ともにオブザーバーとして一人ひとりに力を尽くしているところです。
養成講座以外でも、クラスの仲間たちが集まって自主練習(対面・オンラインで実施)することも多いようです。また、必要に応じて対策講座を受講する方も増えてきているようで実技試験に対しての対策をそれぞれが十分に立てています。
論述試験及び口頭試問の学習法
国家資格キャリアコンサルタント試験は、「学科試験」と「実技試験」に分かれています。論述試験と口頭試問はロールプレイと同様に『実技試験』に位置づけされています。
論述試験は事例記録形式で出題され、解答として主に問われているのは、以下の通りです。
@主訴(相談者視点)
A見立て(キャリアコンサルタント視点)
B今後の支援
試験内容から具体的な相談者の言動から根拠づけて記述することが指示されていますので、実際のロープレをしているように頭で読み取っていくことが大切です。それを踏まえると、ロープレの練習を充実させることが論述試験対策には不可欠となります。
また、解答記述のコツですが、解答用紙はコピーして下線部内で収まるように何度も書く練習をしておくことです(過去問題・解答用紙は直近3回分公開されています)。
口頭試問はロールプレイ終了後5分間行われるものです。こちらもロールプレイの練習を深めていくことが一番の学習方法ではあり、自分の行ったロープレに関してフィードバックする習慣を持つことが対策となります。
論述試験、口頭試問は学科とロープレの学習がある程度深まってから始める方が円滑に進められると思いますので、まずしっかりキャリアコンサルティングの基本を押さえることです。
最後に
キャリアコンサルタントの試験は、誰でもが初めての国家資格取得として手が付けやすく、どのような仕事にも乗せていける「傾聴力」「推察力」「受容力」などが養える資格試験だと思います。そして、人の役に立つ、また自らも成長できるキャリアコンサルタントの仕事は、やりがいがあり一度経験したら辞められない魅力ある仕事です。
ぜひ、この機会に一緒に学んでみませんか?
皆様を心からお待ちしております。
筆者
碇 ともみ講師
・国家資格キャリアコンサルタント/CDA
・2級キャリアコンサルティング技能士
・経営管理修士・MBA
大手航空会社に23年間勤務した後、複数の大学で非常勤講師を務め、若年者キャリア形成教育、ビジネス実務教育などにも研究をすすめる。キャリアコンサルタントとしての相談業務や執筆活動にも注力。