臨床心理士

公認心理師と臨床心理士
公認心理師と臨床心理士の違い
公認心理師や臨床心理士の働く領域として、5領域(医療・教育・産業・福祉・司法)や私設相談領域とがあります。
医療領域では、病院やクリニックで心理担当として働く場合があります。
教育領域では、幼稚園での巡回相談、学校でのスクールカウンセラー、大学の学生相談室などで働く場合があります。
産業領域では、社員向けにカウンセリングを行ったり、外部EAP期間に所属し、契約企業の社員に対してカウンセリングを行う場合があります。
福祉領域では、児童相談所や障害者福祉施設などで子供や障害者の方、高齢者の方などとかかわる場合があります。
さらに司法領域では、臨床心理士が家庭裁判所調査官や法務教官、法務技官など公務員かつ心理職として様々な方にカウンセリングや教育指導をする場合などがあります。
働く主要5領域とその他
学校や病院で勤務するカウンセラーの資格として、多くの人は臨床心理士を思い浮かべられるでしょう。
臨床心理士とは、1988年に誕生した日本心理臨床学会が認定する資格です。民間資格でありながら、臨床心理士はスクールカウンセラーや医療機関での査定・相談など「こころの問題」のために不可欠の実践に取り組んできました。
公認心理師とは2015年、教育・医療・司法などの様々な領域に存在する「こころの問題」を解決する国家資格として「公認心理師」法が施行されました。臨床心理士と公認心理師は別々の資格ですが、大学院の修士課程を修了していることを主な受験資格にするなど多くの点で共通しています。その証拠として、2018年に実施された第一回の国家試験では、多くの臨床心理士が公認心理師試験を受験しました。
臨床心理士 指定大学院入試対策
臨床心理士指定大学院一覧
臨床心理士の指定大学院・専門職大学院とは?
臨床心理士資格を取得するは、大学院の修士課程か専門職課程(2年間)を修了する必要があります。その際、臨床心理士は「臨床心理士指定大学院1種/2種」あるいは「臨床心理士専門職大学院」を修了していれば(2種の場合は修了後実務経験が1年必要です)、大学の学部時代に心理学以外(法学部や文学部、工学部など別の学部)を卒業していても、大学院修了後に受検することが可能になります。
臨床心理士指定大学院1種と2種、専門職大学院の違い
臨床心理士指定大学院は1種と2種に分かれています。また、臨床心理士専門職大学院という課程も設置されています。ここでは、臨床心理士指定大学院1種と2種の違い、臨床心理士専門職大学院との違いについて述べたいと思います。
臨床心理士
臨床心理士とは
臨床心理士資格とは、数ある心理学の民間資格の中でも最も有名で難関な資格とされています。心理学の国家資格が存在しなかったことから、臨床心理士資格は国家資格が成立するための大きな役割を担ってきました。2019年現在でも、臨床心理士は医療・教育・産業・福祉・司法、そして私設相談臨床(開業カウンセリング)という形で、様々なところで活躍しています。
臨床心理士になるには
臨床心理士になるには、4年制大学を卒業後(学部はどこでも可)、臨床心理資格認定協会の定める臨床心理士指定大学院1種/2種、あるいは臨床心理士専門職大学院に入学・修了後、10月11月頃に実施される臨床心理士資格試験に合格すると、翌年には臨床心理士資格が与えられます。
臨床心理士資格試験について
臨床心理士資格試験を受験するための資格(受験資格)として、臨床心理士指定大学院や臨床心理士専門職大学院を所定の科目を修めて修了する必要があります(臨床心理士指定大学院2種の場合は、修了後に1年間の臨床経験が必要)。
通常、臨床心理士資格試験は毎年10月頃に筆記試験が行われ、筆記試験に合格した人を対象に11月頃に面接試験が行われます。合否は翌月の12月にわかり、資格の証明書が翌年の3〜4月頃に手元に届くようになっています(2019年現在)。
臨床心理士の仕事(職務)
臨床心理士の職務として、臨床心理学的面接(カウンセリング)、臨床心理学的査定(アセスメント)、地域援助、(臨床心理学的)研究の4つがあります。
臨床心理士は単純にカウンセリングだけをしているのではなく、そのカウンセリングを行うためにその患者さん・クライエントがどのような背景・性格・主訴・症状の持ち主かについて、把握しておく必要があります。それらを把握するために行うことをアセスメント(査定)と呼びますが、アセスメントはカウンセリングにおいて話をする中でも行われますし、心理テストなどを用いても行うなど、よりよく患者さん・クライエントの状態が把握できるように総合的に行われます。特に医療機関などでアセスメントにおける心理テスト(心理検査)を専門的に行う人のことをテスターと呼びます。