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韓国の公務員試験制度 |
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弁護士、法学博士 廉庸哲 |
国家公務員は総務庁国家職試験に合格して各種中央機関で勤務する公務員を言い,地方公務員は地方自治団体,すなわち特別市,広域市,及び市庁が主観して試験を実施,合格した者で地方事務を担当する公務員を言う。 |
(1) 経歴職公務員 実績と資格によって任用され,その身分が保証されるし一生公務員として勤めると予定される公務員を意味する。 一般職:技術,研究,行政一般担当に分類する。 特別職:裁判官,検事,外務,警察、消防、教育、軍人、国家情報院の職員等 機能職:機能的な業務を担当し,機能別に分類された公務員 (2) 特殊経歴職公務員 経歴職公務員以外の公務員を言い,その種類は次のようである。 |
政務職:選挙によって就任,国会の同意を必要とする公務員,または監査院の院長,監査委員,民主平和統一諮問会議などの事務総長,憲法裁判所の裁判官及びジム所長,中央選挙管理委員会の常任委員、事務総長及び次長、 別政職:国会,監査院の事務総次長、国家情報院の常任委員 専門職:国家と採用契約によって一定期間専門知識が要求される特殊業務に従事する公務員 雇用職:単純労働に従事する公務員 |
中央行政機関所属公務員の採用試験は総務庁長官が実施してあり、関係機関共同または大統領令の定めることによって違う行政機関の長に委任して実施することが出来る。公開採用試験及び昇進試験は総務庁の長官が実施、機能職公務員の採用試験は違う行政機関が実施することが出来る。 国会,裁判所,憲法裁判所,選挙管理委員会は該当行政機関長が委任され実施することが出来る。 |
公開競争による採用試験は同一な資格を持っているすべての国民に平等に公開しなければならないし,試験の時期及び場所は応募者の便宜を顧慮して一刊新聞TVラジオ,各市の傘下機関で案内などを行なっている。 (1) 競争試験の公告 公開競争採用試験及び昇進:試験実施日20日前に一刊新聞及び放送,その他効果的な方法によって公告する。総務庁国家職試験施行計画は毎年1月初めに一刊新聞に掲載する方法として公告している。 |
機能職試験:採用予定人数が10人以 上の場合は,試験日20日前に10人以下の場合は10日前に公告する。 試験施行計画の変更公告:試験日7日前に一刊新聞または,該当機関の掲示板に公告する。 公告内容:任用予定職級、応募資格(年齢,学歴,経歴),合格予定人数(全国及び地域別分類配当人数)試験の方法,時期,場所(願書交付または受付場所),試験科目、加算特典,その他事項、 |
欠格事項:次の事項の中一つでも該当されると公務員採用試験に応募することが出来ない。(国家公務員法第33条) (1) 禁治産者または限定治産者 (2) 破産者として復帰されてないもの (3) 禁固以上の刑を受けてその執行が終了してから5年が立っていないもの (4) 禁固以上の刑を受けて執行猶予の期間が完了された日から2年を経過してないもの (5) 禁固以上の刑の宣告猶予を受けた場合に,その宣告猶予期間中であるもの (6) 裁判所の判決または違う法律によって資格が喪失または停止されたもの (7) 懲戒の判決によって罷免の処分を受けてから5年が経過してないもの |
(8) 懲戒によって解任の処分を受けてから3年が経過してないもの この欠格事項は韓国の公務員であればすべて適用される。ただし,警察公務員と外務職の公務員はこの欠格事項よりもっと厳格な欠格事項が規定されている。 学歴事項:学歴は関係無いのが原則であるが若干の例外がある。 (1) 公開競争採用試験:一般職公務員の場合に学歴制限が無い。しかし,一般職の中で研究職,指導職の公務員は学歴が要求される。 (2) 特別採用試験:一般職公務員の特別採用の際では研究職,指導職,公務員以外に,7級(日本の国家2種に当たる)水産 |
職応募者の場合,大学を卒業(水産または海洋大学)しなければならない。9級の(日本の国家3種に当たる)場合は,海洋または水産系統の高校を卒業しなければならない。 受験年齢:国家職 5級(日本の国家1種に当たる)は20歳から34歳まで 7級(日本の国家2種に当たる)は20歳から35歳まで 9級(日本の国家3種に当たる)は18歳から28歳まで 地方職 7級(日本の地方上級に当たる)は20歳から34歳まで |
9級(日本の地方初級に当たる)は18歳から32歳まで 韓国の場合、受験制限年齢が段階的に2歳から3歳くらい下向調整されている。5級は2000年度から制限年齢が34歳から32歳に下がる。年齢計算は面接日を基準にする。 筆記試験の合格基準 5級基準 (1) 第1次試験:各科目4割以上,全科目総点6割以上の得点者の中合格予定人数5倍の範囲で試験成績順に取る。 (2) 第2次試験:各科目4割以上,全科目総得点による高得点者の順に最終合格予定人数の13割の範囲で第3次試験の受験生などを顧慮して取る。 |
(3) 第3次試験:面接後最終合格者を取る。 7級以下基準 (1) 1次,2次の筆記試験において各科目4割以 上の得点者の中から試験成績順及び合格予定人数を顧慮して合格者を取る。 (2) 第3次試験は合格不合格のみを決定して,面接と実技試験を実施した場合には面接と実技試験に各々合格したものを第3次試験合格者にする。 (3) 公開採用,公開昇進,特別採用及び一般昇進試験の合格者決定は合格人数を超過して同点者がいる場合にはみんな合格者に処理する。 |
面接試験の基準 (1) 公務員としての精神姿勢 (2) 専門知識とその応用能力 (3) 意思発表の正確性と論理性 (4) 容姿,礼儀,及び誠実性 (5) 創造性,意志その他発展可能性 面接の点数は上(3点)中(2点)下(1点)に評価する。万点は15点であり、最低点数は5点である。各面接委員が採点した平均が中(10点)以上であり委員の過半数が上記の5つの項目の中で下(1点)に評価すると不合格になる。 採用試験の特典 7級以下の公務員試験には、就業保護 |
対象者及び満期除隊軍人には各科目別万点の5%を加算する。また,資格証を所持している人が7級または9級試験の受験者には筆記試験の各科目得点に1%から5%までの加算点を付与する。 女性公務員の採用目標制度の実施 女性公務員の採用目標制度は97年度から5級,7級試験を対象に筆記試験女性 |
合格者が採用目標比率の以下の場合には成績順によって目標に達するまで定員外追加合格をさせた。女性追加合格の場合,あまりにも成績が悪い女性の合格を防ぐために5級試験の場合合格ラインより3点,7級の試験では合格ラインから5点以内に制限をおいた。女性公務員の採用目標の比率は99年度には18%,2000年度には20%である。 以上
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