とはいえ、結局万事スムーズに事は進み、受益者の請願は首尾よく承認された。これで全くの当然、とりたてて言うべきことでもない。
一方こちらは、やはり大事なケースであるほど、請願が万が一却下されたら、とか予定以上審査に時間をとられたらどうするか、など、つい考えずにはいられない。法律事務所に雇われの身でいたころは、書類を作成し、提出さえしてしまえば、これほど結果にこだわることはなかったように思われる。逆に書類を提出
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したことによる満足感が、審査に対する心配を上回ったに違いない。とにかく、これまでの傾向を見れば、ケースが承認されるまでの所要時間はわかるし、『万が一』のことなど、考えなかった。
自分のスケジュールとしては、仕事の上で時間が自由にとれるようになったというよりは、今までより忙しくなった。しかし、法律事務所で複数の弁護士と仕事をしていても、所詮自分が担当しているクライアントには自分に責任があるし、内部での微妙な競争があるから、結局
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