法科大学院は、日本型を基調とすべきか。結論は否である。
まず、現行の法学部の役割であるが、法曹に限らず官公庁、民間に幅広い人材を輩出していることは事実ではあるが、それは学部教育がそれ相応の専門教育を行ってきたからではなく、司法試験の勉強に挫折した結果としてそうなっただけである。法科大学院が全国各地で開設され、専門教育機関として機能すれば、法科大学院出身の官僚、ジャーナリスト、経営者など多数現れ、先の大学審議会答申が期待するところの高度な専門実践教育が活きるといえよう。法学部法律学科は廃止し、法科大学院へと昇華させるべきである。
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また、法科大学院でどのようなカリキュラムを、一体誰が教授するのか、具体的な議論がなされていない。
法科大学院の設立趣旨に則った専門実務教育は、現在の大学教官には無理だと考える。それは、憲法、民法、刑法、すべての科目でそうであるが、大陸系法学教育の無用な部分を今日まで引きずりすぎているからである。実用よりも観念が先行し、「意思」とは何か、「行為」とは何か、「所有」とは何か、哲学論争を繰り広げるのに奔走し、法律実務の専門分化についていけないのが大学教官の実態である。やはり、裁判官、検察官、弁護士、そして司法書士などの準法曹が教官として相応しい。
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