サービス貿易の台頭

 貿易には米、オレンジ、自動車などのモノ貿易と、通信、運輸、観光などのサービス貿易とがある。下表からも明らかなように、1980年ごろから、サービス貿易は大きく伸びている。貿易交渉と言えば米の自由化に代表されるモノ貿易の時代から、サービス貿易をも重要視しなくてはならない時代となったのである。そのためWTO(世界貿易機関)での交渉においても、サービス部門についての交渉が進められている。

法律サービスも国際的自由化の対象


 WTOのサービス部門には法律サービスも含まれている。法律サービスが国際的に規制緩和されるとはどういうことか。それは、海外のロイヤーが日本でも法律活動をすることを法的に認めることを意味する。現在、日本では「司法制度改革」で盛んに法曹人口の不足が議論されている。だとすると、海外のロイヤーにとって、日本はたいへんに魅力のあるマーケットとなり得る。
 WTO交渉によるサービス貿易の規制緩和に対し、法律サービス分野においても、国内の業界を守るのみの姿勢が、世界からの孤立を招くとするのならば、日本はこれからどのような交渉を進めていくべきなのだろうか。

世界貿易に占めるサービス貿易の割合(輸出額ベース)
単位 :10億ドル
輸出額
86年
90年
94年
99年
モノ
2137
3439
4241
5460
サービス
450
783
1038
1340
合計に占めるサービスの比
17.4%
18.5%
19.7%
19.7%

出典:WTO Annual Report
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