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主な動き | |
1 日(土) | 日本学術会議公開シンポジウム『法学・政治学教育改革と法曹養成』 |
5 日(水) | 第2次森内閣発足後の総理記者会見 〜『規制改革3か年計画』継続へ |
5 日(水) | 経済同友会『司法制度改革審議会に望む(第2次)わが国司法の人的基盤改革 のビジョンと具体策』 |
13日(木) | 民主党ネクストキャビネット 『市民が主役の司法へ −新・民主主義確立の時代の司法改革−』 |
15日(土) | 慶應義塾大学法科大学院構想シンポジウム 『慶應義塾における21世紀の法学教育』 |
22日(土) | 獨協大学法学部シンポジウム『法学教育とロースクール構想』 |
26日(水) | 政府行政改革推進本部規制改革委員会『規制改革に関する論点公開』 |
29日(土) | 日弁連シンポジウム 『日本型ロースクール 〜公平、開放、多様なロースクールを確立するために』 |
日本学術会議シンポジウム
「法学・政治学教育改革と法曹育成」 1日、『法学・政治学教育改革と法曹養成』と題し、日本学術会議の公開シンポジウムが専修大学で開催された。
法曹養成制度改革の目玉として法科大学院の設置が予定される中、日本型ロースクールとして求められる法学部教育(法学教育・政治学教育)のあり方・理想像について講演者から多くの問題提起がなされた。 東大社会科学研究所の廣渡清吾教授からは、70年代前半までは司法試験の準備教育として法学部教育が機能していたことと、法学士のもつ意味として、法律専門家にならなくとも法的リテラシーを獲得できたことが日本型法学士のメリットとして言及があった。また私大法学部の24.9%が定員割れに陥っている惨状に触れつつ、法的リテラシーの豊富化に役立つ法学教育の必要性について指摘した。 アメリカのロースクール事情に詳しい帝塚山大学の藤倉皓一郎教授は、アメリカとの対比において日本の法学教育の問題点を挙げた。目的が不明確であること、文部省が予算を握っており各大学は自発性に欠けること、などである。アメリカ法曹協会に相当するものとして、わが国でも法曹による法曹教育が必要であること、また法科大学院間での競争原理の導入が制度設計上求められていると発言した。 |
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〜第2次森内閣発足後の総理記者会見〜
「規制緩和推進3か年計画」継続へ 4日、特別国会が召集され森総理再任が決定し、第2次森内閣が発足した。翌5日の記者会見で森総理は、「・・・国際的に開かれ、自己責任原則と、市場原理に立つ自由で公正な経済社会への変革を目指して引き続き規制改革を推進していく考えであります。このため、昨日、総務庁長官に、平成13年度を初年度とする新たな規制改革に関する3か年計画の策定を進めるようにお願いをいたしたところでございます」と発言した。さらに森総理は25日、IT戦略会議との連携を視野に入れた新規の「規制緩和推進3か年計画」を策定するように、続総務庁長官と宮内義彦規制改革委員会委員長に指示した。
したがって、司法制度改革審議会の終了後であっても、政府で法務関係・業務独占資格の改革が引き続き進められることになった。 |
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経 済 同 友 会
「司法制度改革審議会に望む(第2次) わが国司法の人的基盤改革のビジョンと具体策」 5日、経済同友会は『司法制度改革審議会に望む(第2次)わが国司法の人的基盤改革のビジョンと具体策』と題する提言を発表した。提言には「成長・発展型の実務法律家の養成をめざして」という副題が付され、これまでの弁護士を核とした分業・序列型の法曹システムから、必要最低限の法務サービス提供能力を取得した後に、各資格者が専門資格・能力を取得し、競争・切磋琢磨する成長・発展型の実務法律家の養成を視野に入れている。
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<提 言 要 旨>
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1. | 改革のビジョン | ||
− | 紛争の未然予防やコンプライアンス(法令遵守)の社内体制充実等に向け、“国際競争力”ある実務法律家が多数輩出されることを強く望む | ||
− | 「成長・発展型」実務法律家の養成 | ||
●資格取得後の自助努力、競争・切磋琢磨による成長 | |||
●業際的、専門分野横断的な問題解決能力、活動分野の拡大 | |||
2. | 法曹資格者の養成制度 | ||
− | 司法研修所に代わる「ロースクール」の設置 | ||
●設置・・・法律実務の基盤となる知識・技術を教えられる体制を設置基準として定め、基準を充たせば原則として設立を認可すべき | |||
●学生選考・・・法学部出身者だけが有利にならないようにすべき。アメリカLSATに相当する適性統一試験を導入する。 | |||
●年限・・・3年程度を標準とする | |||
●形態・・・夜間コース、通信コースも設ける | |||
●学費・・・奨学金制度、学費ローン制度を充実させる | |||
●司法試験・・・ロースクール卒業を受験資格とし、8〜9割程度の合格率とする | |||
3. | 資格制度の改革 | ||
− | 業務自由化と「法務サービス法」制定、資格の整理・統合 | ||
●弁護士等の独占業務の範囲見直し・・・法律相談業務、債権回収業務、法律書類作成業務、和解・仲裁等代理の自由化 | |||
●「法務サービス法」(仮称)の制定・・・Fiduciary Duty(受託者責任又は信認義務)の明確化、販売・勧誘ルールの策定、説明義務・守秘義務の賦課、ディスクロージャーなど | |||
●資格の整理・統合・・・司法書士、行政書士については法曹資格へ後押ししながら、称号資格へと切り替える | |||
4. | 裁判官のあり方 | ||
●専門裁判官、専門参審員・・・企業・行政からの登用 | |||
●裁判官の増員 | |||
民主党ネクストキャビネット
「市民が主役の司法へ−新・民主主義確立の時代の司法改革−」 13日、民主党ネクストキャビネットの司法大臣・江田五月参議院議員は、民主党の司法改革案「市民が主役の司法へ−新・民主主義確立の時代の司法改革−」を発表した。
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<改 革 案 (抜 粋)>
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1. | 理念と目標 | ||
民主主義を発展させ、可能性を大きく開花させる「新・ 民主主義」の時代に即応した司法の実現 | |||
2. | 身近で充実した司法 | ||
− | 法曹人口を10年後には、5万人とする。将来は10万人体制を目指す。 | ||
− | 10年間で、知的財産権、税務、登記、会計等の分野における専門隣接職種の資格制度、業務分野等を含めてその検討を行う。 | ||
3. | 法曹一元 | ||
− | 全ての裁判官は、弁護士、検察官等の法曹経験を10年以上持った者の中から、その地域の市民も加わった裁判官推薦システムを経て選ばれる制度とする。 | ||
− | 制度導入のためには年間3,000人規模の法曹養成が必要であり、さらに段階的に拡大する。 | ||
− | 判事補の新規採用は2005年から廃止する。現行の判事補制度は10年間残存させる。 | ||
4. | 陪審制・参審制 | ||
− | 刑事重罪事件、行政事件について陪審制、民事事件について参審制を導入する。 | ||
5. | 行政訴訟手続の改革 | ||
− | 官僚裁判官の行政親和性是正が目的 | ||
6. | 司法の後見的機能の充実 | ||
− | 家庭裁判所の飛躍的充実強化 | ||
− | 少年事件対応のため、家庭裁判所調査官の倍増を図る | ||
− | 家事問題、成年後見制度のアクセスポイントとしての機能強化を図る | ||
7. | 法律扶助・犯罪被害者保護の充実 | ||
− | 犯罪被害者基本法の制定 | ||
8. | 裁判の適正・迅速化等 | ||
9. | 裁判外紛争処理機関(ADR)の充実、隣接士業の活用 | ||
− | 税理士の税務訴訟出廷陳述権、弁理士の侵害訴訟代理権、司法書士の簡易裁判所手続への関与と法律相談業務、社会保険労務士の労働関係事件への関与など | ||
立慶応義塾大学法科大学院構想シンポジウム
「慶応義塾における21世紀の法学教育」 16日、慶應義塾大学で行われたシンポジウムでは、法科大学院の制度設計にあたって不可避となる法学部教育改革と私学としての歴史・伝統・実績とを調和させ、法学教育の長期的展望を示した試案が出された。
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<慶応義塾大学試案>
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1. | あるべき法曹像と法学教育 | ||
− | 「バランス感覚とコミュニケーション能力」「広い視野と教養・学識」「進取の精神と法創造力・制度改革能力」が法曹として特に要求される | ||
− | 法学部段階においては、法律学以外の学問領域においても第2、第3の専門科目をもつことが必要 | ||
− | 法科大学院は法学部教育の「積み上げ型」とする | ||
− | 他学部生、社会人のために特別の入学枠を設定する | ||
2. | 法科大学院構想 | ||
− | いわゆる「4+2+1型」を採る。 | ||
− | ゆるやかな形での「法曹コース制」 | ||
− | 司法研修所教育の一部を法科大学院で引き受けることは可能 | ||
3. | 法科大学院入試 | ||
− | 学部における成績を重視する選抜 | ||
− | 全国共通の統一試験を実施し、各法科大学院が学部成績を大幅に考慮した選考を行う | ||
− | 統一試験は、法律科目に関する基本知識を問う択一式試験とする(いわゆる六法) | ||
− | 他学部生、社会人については小論文試験に内申点を加味する | ||
4. | 新司法試験 | ||
− | 受験資格を法科大学院の修了者・在学者に限定する | ||
− | 立法論的・政策論的視点も加味した試験内容とする | ||
− | 大学院最高学年の後期セメスターに在学していることを要件とし、秋から初冬にかけて実施する | ||
5. | 将来展望 | ||
− | 狭義の法曹に限らず、隣接法律職、法律職公務員、企業法務担当者の養成も視野に入れる |
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