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主な動き | |||
● | 6/15 東京司法書士会シンポジウム「司法制度改革と司法書士の果たす役割」 | ||
● | 6/17 創価大学法学部開設30周年記念シンポジウム「法科大学院構想と法学部教育」 | ||
● | 6/20 中小企業政策審議会ソフトな経営資源に関する小委員会報告書「新しい中小企業診断士制度について」 | ||
● | 6/24 立教大学法学部シンポジウム「法学部教育と法曹養成の連続と不連続 −立教大学における法学教育と法曹教育の将来像−」 | ||
○東京司法書士会シンポジウム
「司法制度改革と司法書士の果たす役割」(6月15日) 6月15日、日司連会館で東京司法書士会主催のシンポジウムが開催された。司法制度改革が法曹三者中心に取り組まれている現状を踏まえ、司法書士という隣接法律職は今後どうあるべきか、熱心な議論が繰り広げられた。
まず、「法曹人口の増員と司法書士」という論点では、コーディネーターの松永六郎氏(司法書士)より、法曹人口の大幅増員によって果たして弁護士過疎は解消されるのか、それよりもむしろ司法書士の積極的活用策を考えるべきではないか、との問題提起がなされた。パネリストの鈴木重勝氏(早大名誉教授)からは、リーガルサービスの提供者として、(司法書士などの)隣接法律職には大きな出番が待ち構えているとの意見が出された。 また、「司法書士の簡裁代理権は必要か」という論点では、山本修氏(東京司法書士会副会長)が司法書士会内部でも反対意見があることを触れつつ、規制改革の推進、本人訴訟支援の延長として簡裁代理権が不可欠との見解を示した。弁護士の塚原英治氏は、第二東京弁護士会の見解を紹介しながら、簡裁事件は少額と限らないこと、家事・調停事件は訴額制限がないこと、破産事件・家事事件・刑事事件は人口に比例し全国どこでも起こりうるものであるから、司法書士自身がさらなる研鑚・実績を積むことの必要性を指摘した。 最後にパネリストとフロアの間で、特認制度の改革について多くの意見が交わされた。 |
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創価大学法学部開設30周年記念シンポジウム
「法科大学院構想と法学部教育」(6月17日) 創価大学の法科大学院構想は、「多面的な価値創造の社会」における法曹のあり方とかかる法曹像の実現方法を正面から論じている。特に、現行の学部教育の改革について詳細な検討を加えている。
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<創価大学試案・骨子>
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1. | 法科大学院の設置原則(p.12) | ||
○ | 多くの大学に開かれ、自主性を発揮し得る法科大学院制度 | ||
○ | 十分な時間をかけた検討 | ||
2. | 法科大学院の設置基準(p.14) | ||
○ | 専門大学院設置基準は、そのまま用いることが出来ない(研究指導教員に関する要件等) | ||
○ | 従来の司法試験の実績に基づいた認定校制度は採るべきでない(大学間格差の固定化につながるため) | ||
3. | 入学定員数(p.16) | ||
○ | 法科大学院入学者の全国総定員数を設定する必要はない | ||
4. | 司法修習(pp.19-20) | ||
○ | 最高裁が管理運営主体たる司法修習制度を継続することが望ましい | ||
○ | 司法修習期間は全体で1年程度が妥当である | ||
5. | 法学部の教育組織・内容(pp.23-30) | ||
○ | 法学部1,2年段階−「共通課程」 | ||
○ | 法学部3,4年段階−「法曹コース」と「ジェネラリストコース」の二本立て | ||
6. | 法科大学院の教育組織・内容(pp.30-33) | ||
○ | 2年制課程を原則とし、3年制課程を併用する | ||
○ | 全国統一試験は課さない | ||
○ | 進学試験−法曹コース卒業者、他大学の法曹コース卒業者(協定校制度の採用) | ||
○ | 入学試験−進学試験受験対象者以外の者 | ||
中小企業政策審議会ソフトな経営資源に関する小委員会報告書
「新しい中小企業診断士制度について」(6月20日) 政府の中小企業政策審議会は、昨年9月22日に「21世紀に向けた新たな中小企業政策の在り方についての最終答申」をまとめた。最終答申に基づいて、同審議会の「ソフトな経営資源に関する小委員会」は中小企業診断士制度を抜本的に改める内容の報告書をとりまとめた。中小企業診断士は都道府県における指導職員から民間企業の経営全般の助言指導を行うコンサルタントへと大きく変貌しつつある。「日本経済のダイナミズムの源泉」として中小企業は活力を得ることができるか?
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<新しい中小企業診断士制度について(概要)>
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1. | 制度見直しの趣旨(p.1) | ||
○ | 中小企業支援法(今年4月19日公布)における位置づけの変化 | ||
−公的診断から民間経営コンサルタントへ− | |||
2. | 新しい中小企業診断士に必要な能力(pp.3-4) | ||
○ | 中小企業経営全般に関する幅広い知識 | ||
−経営法務、情報システム等に関する基礎的な知識 | |||
○ | 創業・経営革新の促進に即した知識の保有 | ||
−創業、新規事業開発、新製品開発に関する診断・助言能力 | |||
−市場における企業価値の算定や投資機会の評価、資本コストの比較など企業財務に関する知識 | |||
○ | 助言能力の獲得 | ||
3. | 試験科目構成(pp.4-7) | ||
○ | 経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、新規事業開発、経営情報システム、中小企業経営、中小企業政策、助言能力 | ||
○ | 従来の3部門の廃止 | ||
4. | 試験実施形態(pp.8-12) | ||
○ | 第一次試験−選択式・短答式 | ||
○ | 第二次試験−論述式・口述式(新規) | ||
○ | 実務補習(インターンシップ) | ||
5. | 更新(pp.16-18) | ||
○ | 新たな知識の補充 | ||
○ | 実務能力の維持 | ||
立教大学法学部シンポジウム
「法学部教育と法曹養成の連続と不連続−立教大学に おける法学教育と法曹養成の将来像−」(6月24日) 6月24日、立教大学法学部の学部・大学院改革具体化委員会WGは、法科大学院構想の中間報告を発表した。
シンポジウムでは中間報告に関する議論よりも、パネリストと参加者の間でフリーディスカッションが活発に繰り広げられた。 参加した学生からは、司法試験予備校についての本音の意見が数多く出された。大学法学部の役割とは一体何なのか、教授陣に問題を投げかける機会となった。 |
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<立教大学試案・骨子>
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1. | 法科大学院の対象 | ||
○ | 狭義の法曹 cf.準法曹については資格試験の変化に臨機応変に対処する |
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2. | 定員 | ||
○ | 1学年50名程度 | ||
3. | 選抜 | ||
○ | 内部枠−おおむね30名程度 | ||
○ | 外部枠−残りの20名程度 | ||
4. | 法学部 | ||
○ | 法学科−法曹コースの新設 | ||
○ | 国際・比較法学科−「法的素養」と「国際性」のバランス確保 |
目次 |
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