↑What's New ←目次
通巻 192号

LEC司法書士連続セミナー
EVENT REPORT テーマ

スタート!成年後見制度 〜司法書士の実務はこう変わる〜


 講師 岩澤 勇先生(岩澤司法書士事務所)

 成年後見制度のスタートを直前に控えた3月26日、LEC渋谷駅前本校において、司法書士・岩澤勇先生によるセミナーが開催されました。成年後見制度は、従来からの契約法理、行為能力理論をどう変容させるか?制度 運用に向けて、司法書士はどう取り組んでいくべきか?海外の後見制度の調査研究をもとに、岩澤先生から多くの示唆を頂きました。
連続セミナー

   4月1日スタート!成年後見制度
 成年後見制度は、禁治産者・準禁治産者という旧来の行為能力規定を改め、成年被後見人・被保佐人・被補助人という類型を導入します。また、本人との契約による任意後見制度を新たに採り入れました。  この制度の狙いは、介護保険制度とならんで、本人の残存能力を可及的に尊重して、自己決定に基づいた自立的生活を支援するものです(憲法第13条)。後見登記法により、新しい公示方法として登記が行われます。財産管理・身上監護という重要任務を、相談から登記まで一連の手続きに司法書士が積極的に関わっていくことが求められています。

   海外後見制度事情
 1990年代に入って、世界各国の後見制度に関する立法が活発です。一般には、英米法系の国々が任意後見中心で、大陸法系の国々では法定後見が中心です。制度導入に先駆け、司法書士会では早くから海外視察を行ってきましたが、中でもカナダのケベック州の制度が印象的でした。日本のような精神鑑定一辺倒ではなく、個々の生活能力の有無から、能力判定を行います。

   社団法人成年後見センター・リーガルサポートの設立
昨年12月、日司連が中心となり、社団法人成年後見センター・リーガルサポートを設立しました。法人後見 が認められた結果ですが、全国規模では唯一の活動団体です。既に、3,000人を超える司法書士が参加しています。社会福祉士などの専門家との交流をこれからも進めていきます。

   司法書士受難時代!? 〜コンサルタントとしての道〜
 不況の影響で、不動産登記、商業登記実務が停滞し、司法書士受難時代といわれています。しかし、世の中の ハイテク化が進展するにつれ、その位置付けの再構成が迫られている点では、どの士業も同じ状況です。今こそ、実務専門職自身が大きく変わらなければなりません。資格の枠をこえて、幅広く、きめ細やかなコンタルタント業を実践していく覚悟が必要です。  成年後見制度に係る一連の業務は、根本的に司法書士に向いています。本人訴訟の支援と同様、インフォームドコンセントを基にして、本人主導の、本人の利益に適ったアドバイスをすることができます。皆さんには、一日も早く実務界の仲間入りを果たしてほしいと思います。


←目次


↑What's New ←目次
通巻 192号
Copyright 2000 株式会社東京リーガルマインド
(c)2000 LEC TOKYO LEGALMIND CO.,LTD.