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「性犯罪厳罰化」の刑法改正が成立

2017年6月16日 LEC資格トピックス

「性犯罪厳罰化」の刑法改正が、2017年6月16日、明治時代の法制定以来110年ぶりに実現しました。

強姦罪の名称を「強制性交等罪」に変更し、女性に限定されていた被害者に男性を含め、性交類似行為も対象とすること、法定刑の下限を懲役3年から5年に引き上げること、強姦罪などについて、起訴するのに被害者の告訴が必要になる「親告罪」の規定を削除するといった内容を含むものです。①性犯罪の法定刑が軽すぎるという世論の反映、②性の中立化、③被害者及び児童の保護、④多様な性犯罪の実態への対処等が法改正の理由です。

改正の概要

改正の概要として以下の点を挙げることができます。

  1. 現行法の「強姦罪」から「強制性交等罪」に罪名及び内容が変更され、「姦淫」のみならず、「口腔性交」や「肛門性交」も処罰対象行為に含まれることになりました。この法改正より、女性が同罪の主体となることもあり得ますし、男性が同罪の被害者となることもあり得ます。また、同性間での性行為も対象となり得ます。ジェンダーニュートラル化(性の中立化)を考慮しての法改正です。
  2. 強制性交等罪の法定刑の下限が3年から5年に引き上げられることになりました。これまで、強盗罪の法定刑の下限(5年以上の有期懲役)よりも強姦罪の法定刑の下限が低いことに批判が集まっており、これを考慮する形で法定刑を引き上げたものです。
  3. 強制性交等罪」は非親告罪とされることになりました。現行法では、「強制わいせつ罪」や「強姦罪」は親告罪とされています。これは、公開法廷で被害者の名誉・プライバシーが侵害されることを考慮したものです。しかし被害者の名誉・プライバシーの保護は別途、刑事手続で図られるべきであり、処罰の必要性を重視して非親告罪とされました。この改正は、示談の位置付けにも大きく影響を与えるものといえそうです。
  4. 「監護者わいせつ及び監護者性交等罪」が新設されることになりました。この法改正により、親などの監護者からの、18歳未満の者に対する影響力があることに乗じたわいせつ行為に対して同罪を適用することができるようになります。これまでも、親からの性的虐待に対しては、強姦罪や強制わいせつ罪を適用することが可能でした。しかし、家庭内での出来事であるため、暴行・脅迫の立証が難しく立件が見送られることが多々ありました。新設規定は、実行行為を「現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした」と定義することで、監護者による性的虐待を広く捕捉し、適切な対処が可能となりました。

公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する、とされているので、来年の試験はもちろん、今年7月の予備試験論文式試験においても出題範囲とされます。今年の出題可能性は低いとはいえ、改正の概要だけは押さえておきましょう。

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